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自称チャネラーが1億3000万所得隠しで告発! スピ系にハマった男が「チャネリング」のヤバさについて説明する

2017年11月16日

千葉県市川市の自称「チャネラー」の女性が、所得税法違反の疑いで東京国税局から告発されたという。彼女は、宇宙にいる5人の老人と交信して情報を得ることができると謳い、カウンセリングやセミナーを開いていたそうだ。毎日新聞によると、2015年からの3年間で1億3200万円もの所得を隠していたとの疑いがもたれているのだとか。

この手の報道を耳にすると、スピリチュアル系のことについてあまり知らない人は「そんなに儲かるのか?」と思うかもしれない。そもそも「チャネラーとか宇宙と交信とか、よくわからん!」という人もいるだろう。そこで、一時スピリチュアル系にハマっていた私(佐藤)が簡単に説明しよう。チャネラーはマジでヤバい!

・チャネリングってなんだ?

チャネラーとは、超常的な存在と交信(チャネリング)をする人のことを指す。これらの人は、大抵 天使とか神様、先祖や未来人と交信(していると自称)して、カウンセリングなどで相談者の悩みに答えるのだ。

「何言ってんだ、天使や神様やご先祖様と交信なんかできるのか?」

──と、疑問を抱くのは当然だ。そしてその疑問の答えは「交信できない」である。仮に本当に超常的存在と交信できていたとしても、それを証明する術は無いに等しい。ただ、一定数の割合で、これらに寛容な人たちがいて、さらにそのなかの一定の割合で、盲目的にチャネラーの言い分を信じる人たちがいるのも事実だ。

そして中には、自らの境遇や生活、仕事や人間関係に悩み、疲れ切った人たちもいる。そのような人たちは、「溺れる者は藁をもつかむ」のことわざの通りに、非現実的なアドバイスを受けいれることもある。盲目的にチャネラーの言い分を信じる人たちと同じように……。

「いくら信じる人たちがいるからといって、そんなに儲かるのか?」

──これがものすごく儲かったりするのだ。スピリチュアル系の世界において、口コミは絶大な影響がある。最初は無名のチャネラーであったとしても、そこそこ力(?)があって認められると、すぐに小さなコミュニティが出来始める。さらに本人にカリスマ性があれば、1~2年で地域ナンバーワンみたいなことに。もしも縁あって本でも出していれば、名のある先生のように扱われる。

そのうち地元から他の地方にフォロワーが飛び火して、「先生、うちにも来てください!」みたいに輪が広がっていく。多少人を惹きつける力があれば、表舞台に出るようなやり方をしなくても、地道な口コミだけで十分に成り立つのがこの世界。ある意味ネットワーク販売と構造が似ているかもしれない。


・セミナーを始めてからが本番

地域ナンバーワンになって、他の地域にもその影響が飛び火し始めたら、本当に稼げる時が来る。それはセミナーだ。個人のカウンセリングは、救いを求める人の役に立つかもしれないが、時間対効果が低い。仮に1時間1万円でも、1日に稼げる金額はそこまで多くない。その上、労力がかかる。

だが、セミナーは1度に複数人を相手にできる。しかも1人1万とか2万はザラ。他の地域にお呼ばれしたなら、足代や宿代、食事代まで出してもらえるケースもある。ある程度の枠組みができてしまえば、かなり稼げるようになるだろう。


・チャネリングはヤバい

チャネリングに限らず、このような仕組みは手を変え品を変え、次から次へと登場しているのが現状である。その度に、新しいモノに手を出す人もいる。いわゆる「セミナーオタク」が、この業界をある意味で支えているのだ。

だが、それらのセミナーの中でも、チャネリングはもっともヤバいと言っていいだろう。なぜなら、何ひとつとして証明できるものがないからだ。「あなたの先祖は○○にしなさいって言ってるわよ」、それが本当でもウソでも、証明することはできない。

さらにタチが悪いのは、高いお金を払っているのに、「あなたの受け取り方次第で、運命は変わります」みたいな突き放したアドバイスがまかり通ってしまうのだ。

「そうですね! 私次第ですね。がんばります!」

目をキラキラさせながら、こんなことを答える人がウジャウジャいる。厄介なことに、信じる先生の話以外は、一切受け付けなくなる。これらのフォロワーによって、先生はウマくやっていけるのである。


・本当にヤバいのは……

私がスピリチュアル系にハマっていた頃は、未知の世界に触れているような気がして、ワクワクしていた。時には面白半分にセミナーを受けまくっていたのだが、受講者の中にはガチで救いを求めて盲信している人も少なくなかった。

そんな日々のなかで、自称チャネラーって本当にヤバいなと思ったことがある。その人が、何かに取り憑かれたみたいになってしまったのだ。強い自己暗示の結果なのかよく分からないのだが、感情をコントロールできなくなったかのように、泣いたり喚いたりして、恨みの言葉を延々と吐き続けていた……。

その時以来、私はその人に会うことはなく、「チャネラー」と名乗る人がヤバい人であると認識している。ちなみに、別の自称チャネラーが類似した状況に陥った話も聞いた。とにかく、この手のものは形あるものではないので、意見を求めるにしても参考程度にする方がいいと思う。中には本物もいるかもしれないけど、ニセモノと判別しにくいから厄介なのだ。

参照元:毎日新聞産経ニュース
執筆:佐藤英典
イラスト:Rocketnews24

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