厳しすぎる体罰批判で手も足も出せない教師。博多高校の暴行問題には、現在の教育現場の難しい状況が透けて見える。以前の記事で、そんな博多高校の出した謝罪文が問題の本質と食い違っており炎上していることをお伝えした。
明らかに問題は「生徒から教師への暴行」なのだが、やたらとSNSなどITモラルに言及しているこの謝罪文。一体なぜこうなった? それはひょっとしたらコピペだったからかもしれない。
・ネットで浮上中のコピペ疑惑
現在、博多高校の謝罪文が「コピペではないか?」「コピペと言われても文句言えない」「テンプレートがあるのでは」とネット上で噂となっている。コピペ元とされているのは、浦和学院高校が2015年11月30日に出した謝罪文。
浦和レッズファンだった浦和学院高校に通う生徒が、ガンバ大阪のパトリック選手にTwitterで人種差別的なつぶやきを行い問題となった時に出されたものだ。まずは、博多高校の謝罪文を今一度見てみよう。
「本校では、これまでも道徳教育を推進し、暴力はあってはならないことであると教育してまいりました。また、SNSの利用につきましても、その危険性を指導してまいりました。
にもかかわらず、今回の件を防ぐことが出来なかったことは残念でなりません。私どもの指導が至りませず、誠に申し訳ありませんでした。
本件を真摯に受け止め、今後は、改めてITモラルを持たせる教育、生徒の心が健全に育つよう教育の充実を図り、また教員の連携やフォローアップ等、教員を育てる体制等、学校組織をしっかり作ってまいります。
在校生並びに保護者の皆様、卒業生の皆様、本校関係者の皆様には、ご迷惑とご心配をお掛け致しますが、今後ともご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます」
──引用したのは問題の状況説明後の謝罪部分である。まさに「本質からズレている」との声が上がっていた部分だ。続いて、浦和学院高校の謝罪文が以下である。
・噂のコピペ元浦和学院高校の謝罪文
「本校では、これまで国際教養とライフスキル教育を推進し、様々な機会を通じてあらゆる差別が絶対にあってはならないものであることを教育して参りました。また、SNSの利用につきましても、その危険性を教えるとともに誹謗中傷や無断掲載等は決して行ってはならないことを指導して参りました。
にもかかわらず、こうした行為を予知予防することが出来なかったことは遺憾であります。生徒指導が至りませず、誠に申し訳ありませんでした。
本件を真摯に受け止めた上で、今後は、改めて人権教育に取り組み、国際教養とライフスキル教育を推進して参ります。
在校生並びに保護者の皆様、卒業生の皆様、本校後援会の皆様を始めとする浦学ファミリーの全ての皆様には、ご迷惑ご心配をお掛け致しますが、今後ともご理解とご協力をいただきますよう、お願い申し上げます」
──謝罪の順番や、文章の始まりの言葉が同じだったり、かなりのシンクロ率である。博多高校の謝罪文がいまいちズレているイメージがあるのは、SNS問題の浦和学院高校を参考にしたからかも? なお、全文を確認したい方は2校のHPでご確認いただければ幸いだ。
参照元:学校法人博多学園 博多高等学校「お詫び」(PDF)、浦和学院高等学校
執筆:中澤星児