現代日本社会において、胸を張って「フリーターやってます!」と言える人はなかなかいないハズだ。多くの人が1度くらいフリーター経験をお持ちだろうが、自分がフリーターだと “なんとも言えない後ろめたさ” があることは事実だろう。
いま、そのフリーターについて取り上げたアニメが賛否を呼んでいる。2015年11月に厚生労働省が公開した「僕らの明日 ~フリーターの現状に関する若者への周知・広報事業~」が約2年の時を経て話題になっているのだ。
・約2年前の動画
厚生労働省が「若者が今後の働き方や将来の進路について考えるきっかけとなれば」との動機で製作したこのアニメ。先述のように約2年前に公開された動画だが、夕方の情報番組で取り上げられたことをきっかけに、いまネット上で話題になっている。
内容としては、フリーターから正社員に転換した人の体験談や、正社員として就職を目指す若者に対する就職支援機関などがアニメ内で紹介されるなど、至極まっとうなストーリー……かと思いきや、問題は「フリーターへの偏見があるのでは?」ということらしい。
アニメを見てみると、全体的にフリーターがダメ人間的な扱いを受けている感は否めず、さらに言うならば「自分で進んでフリーターになっていない人」や「正社員になりたくてもなれなくてフリーターの道を選んだ人」に対する配慮がされていない印象だ。
・ネットの声
「言いたいことはわかるが、あまりにも極端すぎる」
「フリーターって一口に言ってもそんなに単純じゃないだろ」
「じゃあニートになれってことか?」
「正社員が全員充実してるってバカか」
「ブラック企業の正社員はどうなるんですか?」
「フリーターやりたくてやってるわけじゃないんですけど」
「真面目に就職活動したけどフリーターにならざるを得なかった人の気持ちは?」
「役人がフリーターの気持ちを理解できるハズがない」
もちろん「きっかけ作りとしてはいいアニメ」などの声もあるが、単一的なフリーターの捉え方に疑問を感じる人も多いようだ。
余談になるが、記者もフリーター経験がある。現在フリーターの人にひとつだけ言えることは「その経験が役立つときが絶対に来る」ということ。どんな動機でフリーターになっていても楽しみつつ、前向きに仕事に励むことが大切だと思う。このアニメ、あなたはどう感じるだろうか?