つゆはそば屋の個性である。醤油が強いものから出汁が強いもの、透明度の高いものから色の濃いもの……みんな違ってみんないい。
以前の記事で、東京にある激ウマ関西風つゆのそば屋『だし家』をご紹介したが、その味に勝るとも劣らない関東つゆの店を発見したのでお伝えしたい。
・影が差す入り口
店の名は『はるな』。東京メトロ丸ノ内線の本郷三丁目駅から徒歩5分ほどの場所にある。通りに面しているとは言え、ビル1階の奥まった位置にある入り口には影が差しており、隠れ家的雰囲気を醸し出す。
・ひと際輝くかき揚げ天
入店すると、中は8席ほどのスペース。最奥のカウンターにて直接注文をする形のようだ。カウンター脇には、揚げ置きの天ぷらが並ぶ。葉を広げた春菊天も魅力的だったが、特に目を惹かれたのはかき揚げ天。
桜エビが具に使われたかき揚げ天は、なんとも彩り鮮やかでウマそうだ。というわけで「かき揚げ天そば(400円)」を注文。花が咲いたように美しいそばが着丼した。
・濃いつゆの深淵が呼んでいる
つゆは色の濃い関東つゆ。そのつゆの深淵に泳ぐ中細くらいの麺が「おいでおいで」と私を呼ぶ。ならば食べてやろうじゃないか! いただきます!!
ひと口食べた瞬間、つゆの味が口いっぱいに広がる。甘さ控えめ、出汁(だし)が効いており、何よりコク! どちらかと言うと “渋さ” を感じる味なのだが、コクが深すぎて次から次へと欲しくなる。そばから感じた深淵はこれだったのか!
・生命のスープ
さらに、麺はのど越しが良くツルツルいける。結果、どんどんそばに惹き込まれていく。もはや私がそばを食べているのか、そばが私を食べているのかすらわからない! 丼に引きずり込まれるゥゥゥウウウ!!
もちろん、つゆが染みたかき揚げ天も非常に美味だ。そんなかき揚げ天がフワッとつゆにほどければ、「つゆ・そば・天ぷら」が三位一体となり味はさらに深化。どこまでも潜っていける。これは海や! 生命のスープや!!
・つゆの向こう側
……失敬。自分でも何を言っているのかよくわからなくなってしまった。だがしかし、そばのクオリティーは十分に伝わったかと思われる。もし、ウマイ関東つゆを味わいたければ、『はるな』に行ってみることをオススメしたい。行こうぜ! つゆの向こう側へ!!
・今回紹介した店舗の情報
店名 はるな
住所 東京都文京区本郷2−26−10
営業時間 月~金 7:30~19:30
定休日 土、日、祝
Report:立ちそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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