ロケットニュース24

【コラム】上京するみなさん「吉祥寺に住みたい!」とか言ってないで、まずは会社か学校の近くに住みなさい

2017年1月24日

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別れの季節であり、出会いの季節でもある春。きっとこの春に東京へ出て来る人たちは、住まい探しなどに忙しいことだろう。元不動産屋だった記者の経験上、年明けから4月までは物件が動きやすい時期である。もちろん、上京する人たちが住まい探しを行うためだ。

それはさておき、今回は元不動産屋として上京するみなさんに「まずは会社か学校の近くに住みなさい」と提言したい。きっと「吉祥寺」や「恵比寿」などに憧れている人は多いと思うが、とにかく最初の1年は “東京に慣れる時期” として、背伸びしすぎないことをオススメする。

・5つの理由

記者が「会社か学校の近くに住んだ方がいい」と提言するにはいくつかの理由がある。キラキラした “吉祥寺ライフ” を夢見ている人には申し訳ないが、個人的な所感では初めての東京生活に吉祥寺を選ぶなど、下策としか言いようがない。以下で理由を説明しよう。

・まずは会社か学校の近くに住むべき理由1:「東京の通勤ラッシュはエゲツない」

東京都心と他地方が決定的に違う点は、東京は「電車社会」であるということだ。自動車がなくても余裕で生活できる分、電車にかかる比重は大きい。特に通勤ラッシュはエゲツないから、少しでも会社や学校の近くに住んだ方がいい。なお、JR吉祥寺駅のある中央線や総武線は、都内でも屈指の激混み電車である。

・まずは会社か学校の近くに住むべき理由2:「有名な土地は家賃がバカ高い」

当然といえば当然だが、「代官山」や「恵比寿」「自由が丘」など、ドラマなどに登場する地域の家賃はバカ高い。そして絶対に覚えておくべきことは、そういったエリアは「遊ぶ場所であって住む場所ではない」ということだ。ちなみに吉祥寺は、今や “遊ぶ場所” である。「住むには20年遅い」というのが正直なところだ。

・まずは会社か学校の近くに住むべき理由3:「有名な土地は意外とアクセスが良くない」

先述した「代官山」「恵比寿」「自由が丘」だが、恵比寿を除けばJRが通っておらず、お世辞にもアクセスが良い駅とは言えない。その割に家賃がバカ高いのは、ひとえにネームバリューがあるためだ。吉祥寺はJRが通っているものの、アクセスが良いとは言い難い。それよりはより都心に近い、西荻窪や高円寺、中野の方が遥かにオススメだ。

・まずは会社か学校の近くに住むべき理由4:「徒歩25分にダマされるな」

極端にいえば、東京23区はちょっと歩けばすぐに駅がある。次の駅まで徒歩5分なんてこともザラだ。つまり「駅から徒歩25分」なんて広告は、最果てレベルの物件だということを覚えておこう。「25分か……そんなもんなのかな?」と思ってはいけない、完全にトラップだ。

・まずは会社か学校の近くに住むべき理由5:「他にいい場所がたくさんある」

東京は意外と広い。きっと上京して1年もすると、今まで知らなかったお気に入りの土地や、お気に入りのエリアが出来て来るハズだ。どの土地がオススメかはその人のライフスタイルによるが、最初の1年は「住みたい場所を決める期間」と割り切り、その後、好きな土地へ引っ越した方が後々後悔しないだろう。

──ざっと以上だが、例えば新宿に会社がある人は、さすがに新宿は家賃的にも高いのでオススメしない。そういう人は家賃の安い新宿沿線に住むか、もし可能なら会社の寮がベストである。

とにかく、肝に銘じて欲しいのは「遊ぶ場所と住む場所は違う」ということ。もしご両親がアラブの石油王なら構わないが、そうでない場合はシンプルに家賃が高いので全くオススメできない。最初の1年は “東京を遊びこなす” ことより、“東京に慣れる” ことを目的にお部屋探しをしてみてはいかがだろうか?

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼以前の記事で「初めの一人暮らしにオススメの東京都内のエリア5選」も紹介しているから、上京する人はぜひ参考にしてほしい。

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