ロケットニュース24

【医療用大麻】大麻で症状が劇的に改善した末期がん患者の「医療大麻裁判」はその後どうなったのか? 実際に裁判を傍聴しに行った人物に話を聞いてみた

2016年10月26日

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医療用大麻合法化を掲げ今年7月の参院選に出馬した……が2秒で落選するという伝説を残したことでも有名な、元女優の高樹沙耶(益戸育江)容疑者が大麻取締法違反で逮捕されたことにより、一気に注目を浴びるようになった「医療大麻」という言葉。

世間では様々な意見が、それも否定的な意見が声高に飛び交っているが、実際に日本国内で “大麻によって症状が劇的に改善した末期がん患者” が存在し、彼は大麻取締法と生存権を軸とした『山本医療大麻裁判』において生死をかけて戦っていたという事実も、どうか忘れないでほしい。今回は、その裁判の傍聴人に話を聞いてみた。

・傍聴人はボブさん

過去に報じた『山本医療大麻裁判』の “その後” について語ってくれた傍聴人は、毎度おなじみ、危険ドラッグに警鐘を鳴らしまくる正義のドラッグ事情通・ボブ麻亜礼(まあれい)氏である。特に大麻に関しての造詣は深く、専門家と言っても差し支えない。なお、『山本医療大麻裁判』についての詳細は、過去記事を参照していただきたい。

──ボブさ〜ん! 裁判に行ってたんですか!!

ボブ「おう! だって以前の記事の最後んとこで『傍聴に行こうかな』って予告しといただろ。こういう時だけ有言実行のボブ麻亜礼よ。俺が行ったのは2016年6月6日、東京地方裁判所の819法廷で行われた山本医療大麻裁判の第三回目公判な」

──なんで教えてくれないんですか!!

ボブ「うん、あのな……。すっごい言いにくい話なんだけど、弁護側の弁護士さんの滑舌が悪すぎて、さらに声も小さくて、何を話しているのか全て聞き取れなかったんだよ……。でも、聞き取れた単語はすぐにメモった。山本さんの様子もスケッチしたよ」

──すごいやボブさん、絵も描ける! ボブの絵画教室みたいだァ!!

ボブ「ボブの法廷画はともかく、メモった単語『インド大麻』『バッドトリップ』『デパス』『モルヒネ』『コロラド州』『医療利用』とかを眺めても、弁護士さんが何を話したのかサッパリ忘れちまったんだけど、被告人の山本さんはシンドそうだったな」

──メモにも汚い字で「ややフラついている。つかれてる?」と書いてありますね。

ボブ「入廷する前から体調悪そうだったよ。傍聴希望者が法廷の前に並んでて、13時15分に杖をついた山本さんが登場した。ヨレヨレだった。でも、俺をふくめ、傍聴人ひとりひとりに『ありがとう』って握手して。俺は小声で『がんばってください』って声かけた。山本さんはガッチリと握手して、微笑みながら『はい』って返事してくれたよ」

──握手までしていたんですかボブさん!

ボブ「実は法廷の最後のほうで知ったんだけど、その時の山本さん、腹水がたまってて本当にヤバかったらしいんだ。それでも13時24分に入廷して、ビシッと寡黙に座ってた。服装は水色のスーツで紳士的な印象。そして13時30分に開廷だ」

──そして、弁護士さんが何を話しているのか聞き取れなかった……と。

ボブ「恥ずかしながら、その通りだ。でも、その後の裁判の日程などはメモってたぞ。6月27日と、7月12日だな。ちなみに弁護士ドットコムニュースによると、7月12日の公判は、車いすで出廷したらしい。歩くこともできなくなっていたんだな。そんな状況でも『大麻を治療に使えるようにしてほしい』と訴えたそうな」

──どんどん悪化しちゃってるじゃないですか!

ボブ「で、その次の公判は、8月2日。この日に論告求刑と最終弁論が行われ、いよいよ医療大麻の明日が決まる注目の裁判が決着する……てな予定だったんだが、その日を待たずして山本さんは7月25日、肝臓がんで亡くなってしまったんだ。58歳だった」

──そ、そんな……(泣) まだ若いのに……(号泣)

ボブ「もしもだよ? 医師から “余命は最大1年” で “打つ手はない” と死の宣告をされた末期の肝臓がん患者の山本さんが、違法だとは知りながらも “生き延びるため” に実践した『医療大麻』で、お医者さんがビビるくらい劇的に症状が改善した山本さんが、そのまま大麻を使い続けられていたら……と考えると、どうよ?」

──もしかしたら……生き延びられたかもしれません。

ボブ「医師から見放され、ダメもとで大麻治療を試したら劇的に回復して、がん診断の基準値である “腫瘍マーカー” の数値が劇的に下がった証拠もあって、まさに山本さんにとっての命綱が大麻だったんだけど、運悪く大麻取締法違反で捕まって、大麻治療もできなくなって、当然どんどん症状も悪化して、裁判中にがんで死去って……どうよ?」

──ほ、法律って……なんだろう……。

ボブ「シンミリした話になっちまったけど、ともあれ、これにて『山本医療大麻裁判』は被告人死亡によって公訴棄却で終了、まさに “煙と消えた” んだ。このダジャレは、天国の山本さんに捧げるよ。きっと微笑みながら『はい』って返事してくれるはず。医療大麻を語る時は、山本さんの事も思い出してあげてくれよな」

参照元:弁護士ドットコム
執筆:GO羽鳥
協力&法廷画:ボブ麻亜礼
Photo:RocketNews24.

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