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【保存版】約30時間かけて『こち亀』全200巻を読み返してみた → オススメの10話はコレだ!!

2016年9月20日

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とうとう終わってしまった。『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が終わっちゃったよぉぉぉー! これからは毎週、両さん(主人公・両津勘吉)に会えないなんて。アラサー記者にとって、週刊少年ジャンプを開けば『こち亀』が載っているのは、この世の常識だっただけに寂しすぎる。

……とは言うものの、40年にわたり連載を続けるのは並大抵のことではない。これは作者の秋本治さんに敬意を払う意味でも、改めて読み返さねばなるまい。ということで、記者が約30時間かけて200冊全巻読み返してみたぞ。今回は、その中から是非とも読んでほしいと思う作品10話を紹介し改めて『こち亀』の魅力を振り返りみたい。

・12月24日…の巻(2巻)

初期のこち亀は主人公の両津勘吉らが銃をブッぱなし、ドタバタするパターンが多い。そうした中では異色で、後の『こち亀』で時折描かれる人情モノの前身となるであろう作品だ。クリスマスに派出所で1人ボッチになってしまった両さん。強がっているものの寂しくなるが、思いがけず子どもからプレゼントをもらう、ほっこりエピソードだ。

・クラス会の巻(16巻)
両さんは時間は守らないし、儲けることばかり考えていて意地汚い。おおよそ友達になりたくないタイプだ。それでも何故か周りに人が寄ってくるし、みんなに愛されている。その理由の一つが、友だち想いであるからだろう。「クラス会の巻」ではヤクザになってしまった、元同級生と立場の違いを超えて心を通わせるシーンが印象的だ。

・夏便り…の巻(31巻)
「夏便り…の巻」には衝撃的なセリフが登場する。同僚の秋本麗子に結婚する気はないのかと聞いた時のことだ。麗子は「いきそびれたら両ちゃんのところにでもいこうかしら」と答える。この話に限らず、2人は何度かイイ感じの雰囲気になるのだが……。最終話までに、どうやら答えは出なかったようだ。

・勝鬨橋(かちどきばし)ひらけ!の巻(71巻)
両さんの幼少期の話はジーンとくるものが多く、「勝鬨橋(かちどきばし)ひらけ!の巻」もその一つ。転校してしまう病弱で橋マニアの友だちに、閉鎖してしまった勝鬨橋が開いた瞬間をどうしても見せたかった両さん。警察が来ようが車を数台スクラップにしようがおかまいなしで、友だちのために橋を開くシーンは胸アツだ。

・古都の走馬燈の巻(102巻)
こちらも両さんの少年時代の話。可愛いらしい、両さんのロマンスエピソードだ。以前(76巻)、浅草花やしきで出会った旅一座の座長の娘・琴音。彼女が京都の舞台で怪我をしたと聞き、両さんは東京から自転車で駆けつける。弱気になっていた琴音を一生懸命にはげます両さんの姿が、なんとも健気だ。

・檸檬が泣いた日…の巻(123巻)
両さんのまた従妹である檸檬(れもん)の通う幼稚園で、ハムスターが殺されてしまう。両さんがその犯人を捕まえる時に、手続きを踏んでいないので一旦落ち着けと周りから止められるが、その時に放った言葉が超カッコイイ。普段がだらしないだけに、時折見せる正義感がやたらと眩しく見えるのも、両さんが愛される理由なのだろう。

・浅草物語 望郷編(125巻)
両さんの旧友・村瀬賢治。ヤクザになった彼が両さんとの再会によって改心するエピソード(57巻)は人気だが、「浅草物語 望郷編」はその続編だ。刑期を終え外に出てきた村瀬は、とある理由から両さんとの再会を渋っていた。しかし村瀬が自分で稼いだお金で、孤児院を建てようとしていることを知る。読了後、さわやかな気分になれる作品だ。


・熱球の友情(136巻)
「人間つまずくのは恥ずかしい事じゃない、立ち上がらない事が恥ずかしいんだぞ!!」両さんのまた従妹・纏(まとい)とかつて野球のバッテリーを組んでいた仲間が、道を踏み外してしまった。更正させようと、奮闘する纏と両さん。めずらしく警察官らしいセリフをはく両さんに、記者も危うく胸キュンしそうになってしまった

・檸檬の遠足の巻(999巻)
連載35年を記念して、雑誌『りぼん』に描き下ろされた作品。檸檬の通う幼稚園の先生が妊娠中、階段から足を踏み外してしまう。山の上で泊まっていた時のことで、しかも外は雨。救急車は道をふさがれ、到着が遅れるという最悪の状況だ。そんな中、両さんは雨にぬれないよう先生を抱え下山する。いざという時には頼りになる、カッコイイ両さんの姿が描かれている。

・レイコ変身の巻(185巻)
スタイル抜群で美人な両さんの同僚・麗子。ある日、仕事で太った女性になりきった時のことだ。いつもチヤホヤしてくる周りの態度は一転して、扱いはぞんざい。そんな中、中身は麗子だと気づいていないのに唯一親切にしてくれたのが両さん。人を見た目で判断しない両さんの姿に全読者がトキめいたに違いない。

──以上である! 破天荒過ぎる面もあるが、芯が一本通っているところが両さんの、そして『こち亀』の魅力だと記者は感じたぞ。まだまだ読んでほしいエピソードはたくさんある。いずれも良作であることは保証するので、あなたも200冊読破に挑戦してみてはどうだろう!? 

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼200冊って、ものすごいボリューム

▼40年間、お疲れさまでした! 

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