ファッションとは、ほとほと奥が深いものである。個々のアイテムがカッコ良くても、それぞれの色の相性やシルエットのバランスが悪ければ良さを殺してしまいかねない。すべてはセンスがモノを言うのだ。オシャレにまったく興味がない私(中澤)は、そういった服の合わせ方がわからない。
しかし、そんな私でもオシャレになる方法が1つだけある。センスある人にコーディネートしてもらうのだ。ファッションショップの店員さんに1万円以内でコーディネートしてもらうこのシリーズ。今年最後はなんと、世界でも高級ブランドで名を馳せる「プラダ」だ。ここの店員さんなら私をネクストステージに連れていってくれるに違いない!
・店内撮影禁止
新宿伊勢丹のプラダに行ってみると、あるわあるわ高い服が! 綿のチェックシャツが5万円くらいで売っている。買えないまでも値段を写真におさめようとしたところ、「お客様……」と上品に止められた。店内は撮影禁止とのこと。マジごめんなさい。私みたいなド貧民が来てごめんなさい。
・1万円で買える布
ここまでくれば、さすがの私も気付いているさ。1万円のコーディネートは不可能だってことに。というか、肌着が買えたら御の字だろう。というわけで、止めてくれた店員さんに「1万円で買える布的なものはありますか?」と聞いてみた。無言で考え込む店員さん。やがて何か思い当たったように「こちらです」と歩き出す。
・店員さんの行く先は……
2人がたどりついたのは、店半ばのショウケース。しかし、そこに飾られてある商品はやはり5万円台。ヲイヲイ、私の話を聞いていたのか!? 1万円だって言ってんだろ! そう声をあげそうになった瞬間、流れるような動作で店員さんがショウケースの下の引き出しを開けた。私は思わず見とれてしまう。そこにあったのは……1足の靴下。
・店員さんかっけぇ
店員さんが口を開く。「当店で税込み1万円以下の商品は、この靴下のみになります」と。なんだそれ!? かっけぇな! そんなセリフ言ってみたいわ!! ……その靴下ください。
・服とは何か?
さっそく、靴下を編集部に持って帰って履いてみた。おお……おおお! これがプラダの靴下か!! 肌触りも心地良く、何より丈が長い。靴下以外何も着ていないにもかかわらず、まったく心もとなさを感じないぞ! 普段の服とは何だったのか……普段の服を着るくらいなら、このスタイルで出社した方がマシなんじゃないか?
それにしても、落ち着き払った対応といい、にじみ出る上品さといい、ひょっとしたらあの店員さんはこう言いたかったのかもしれない。「ごまかさずに、もっとさらけ出して表現しろ!」と。……わかったよ店員さん。オシャレって……表現ってそういうことなんだね! というわけで、来年もガンガンさらけ出していくからよろしくな!!
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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▼9720円の靴下
▼肌触りも心地良く、何より丈が長い
▼中には型紙が入っていた。さすがプラダ!
▼まったく心もとなさを感じないぞ
▼来年もガンガンさらけ出していくからよろしくな!
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