東京屈指の寺町「谷中」は、昭和にタイムスリップしたような街並みが残り、下町散策や下町グルメを楽しめる人気スポットだ。そんな古き良き下町から誕生した ご当地アイドル『谷中HKB』が激アツだと巷で話題になっている。その驚愕のパフォーマンスと包容力は、2010年頃から続く「アイドル戦国時代」をいよいよ統一するレベルだというのだ。
今回 筆者は、そんなアイドルグループの極秘ミーティングに参加してきたので報告したい。ウキウキ気分で会議室の扉を開けると、メンバーである全員60歳以上のおばあちゃんたちが笑顔で出迎えてくれたのだ……確かに、彼女たちの「アイドル戦闘力」はケタ違いだった。
・代表曲が8番まである……
会議室では、HKBの代表曲である『元気唄』が爆音で流れていて、おばあちゃん達は「あの世は近いよボチボチだ~、楽しくお散歩 墓場まで~」と歌いながら木魚をポンポン叩いている……。
筆者は、いきなり目の前で始まった この現象を頭の中で整理するのに数分かかったが、どうやらこれがHKB流の挨拶なのだろう。この曲は8番まであるので、最初は傍観者だった筆者も、6番くらいからは一緒に「ワッハッハー」と、サビの部分をメンバーと一緒に熱唱していたのである。
・「ハッピー、かわいい、ばあちゃん」
谷中HKBの前田敦子こと、リーダー羽田仲子さん(なかちゃん)の話によると、HKBは4年ほど前に結成されたという。羽田さんが病気で苦しんでいた時に、周りの人の笑顔に救われた経験から「町のお年寄りに笑顔になってもらおう」と決意したのが始まりだそうだ。
HKBの名前は、近所に谷中霊園などもあることから「墓場(HA・KA・BA)」の略で始まったそうだが、さすがに攻めすぎでは……という声もあり、「ハッピー、かわいい、ばあちゃん」の略称ということで落ち着いたらしい。
ただ、ももクロ全盛期には「太もも苦労ババ―ずっと」と名乗ろうという案もあったらしく、なかちゃんの瞬発力あるアイデアと攻めの姿勢には、定期的にメンバーも驚かされるという。
・子育てママの悩みにも応えるHKB
なお、今回の会議には、谷中で暮らす子育てママも参加していたのだが、その理由は「同世代のママ友に相談できない悩みを、HKBのおばあちゃん達に聞いてもらいたい」ということだった。
HKBのメンバーは、「昔の下町は、どの家も玄関が開いていたから、子供たちは町全体に見守られて育っていたよね。今は鍵を閉めるのが当たり前だし、お母さん1人で子供を育てるのは本当に大変だと思う」と、ママたちの悩みに優しく耳を傾けていたのである。
約2時間の会議は終始 笑いに包まれていて、今後の活動のことだけでなく、地域の問題やママたちの悩み相談まで引き受けるHKBの姿は、本当に頼もしかった。秋風が冷たくなってきたが、下町での触れ合いは筆者の身も心もポカポカに温めてくれたのだ。最強おばあちゃんグループの更なる活躍を期待したい。
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
▼第一集会室へ
▼『元気唄』を熱唱中
▼会議中も笑顔は絶えない
▼谷中HKBメンバーの皆さんと子育てママ
▼メンバー募集のチラシ