最近は高級お好み焼き店が数多くでき、絶対に家庭では食べられない絶品のお好み焼きをセレブな雰囲気でいただくこともできる。
だが、美味しくてもお好み焼きというとリーズナブルなイメージなので、「1回行くともういいかな」という気分になるのも正直なところだ。
そんなことを思いつつグルメネタを探していると、大阪のグルメブロガーY氏が以前訪れたお店の内容に、非常に興味深いことが記されていた。
「口コミサイトには『ふつう』と書かれているそうだが、それはこのお好み焼きにとって最高の褒め言葉かもしれない。そう、これこそがお好み焼きのスタンダードではなかろうか。そんな食感・食味である」
(Y氏ブログより引用)
――と。大阪グルメを知り尽くした人物が大絶賛し、「これこそがお好み焼きのスタンダード!」と太鼓判を押す店であれば、絶対に美味しいに違いない。
ということで、大阪に寄る機会があったため、ブログに書かれていたお店「ぽんぐさ」に行くことにした。ランチメニューはどれも1000円を切る価格で、非常にリーズナブル。ごはんと味噌汁が付くところも大阪らしい。
今回は『すじ玉』(720円)と、『デラックスお好み定食』(970円)を注文することに。オーダーをすると、店主と思われる男性が手際よくお好み焼きを焼き始めた。
流れるようにお好み焼きを焼く姿は、まさに達人技。素人が見ても「この人の焼くお好み焼きはマジでヤバい」と一瞬で分かるプロの技術である。
数分後、オーダーしたお好み焼きが到着。すでにソースはかけられており、マヨネーズなどは自由にあとからかけられるらしい。まずはお店の味を確かめるべく、『すじ玉』を一口パクリ。
……!!! 甘く煮込まれたプルップルの牛すじと、クニュッとしたこんにゃくの食感を、ふんわりとした柔らかい生地がベールのように包み込む! 食感から味までヒジョーに計算され尽くした、素晴らしいお好み焼きである。
お次は上に目玉焼きが乗った『デラックスお好み定食』を一口。う、うわあああああああああああああッ!!! 火がちょうどよく入ったホタテやエビ、イカ、ブタなどの具材から出る旨味たっぷりのエキスと、すじ玉と同じく優しい食感の生地がひとまとめになり、こちらも超絶品!!!
2つ食べたが、どちらも私がいままで食べたお好み焼きとは段違いのレベルである。おそらく値段的にフツーのお好み焼き店と同じ食材を使用していると思われるが、焼き手の技術だけでここまでお好み焼きは美味しくなるのか! と衝撃を受けてしまった。
Y氏がブログで仰っていた「これこそがお好み焼きのスタンダード!」という内容を、食べて初めて100%理解することができた。普通の食材の美味しさをここまで引き上げることができる凄腕お好み焼き職人の店主には、勝手にお好み焼き人間国宝の称号を贈りたい。
普通のお好み焼き店と同じ価格・同じ雰囲気で “普通を極めたお好み焼き” を食べられる「ぽんぐさ」には、初めてお好み焼き店で何回も通いたいと思ってしまった。大阪駅や梅田駅からも15分ほどで歩いて行けるので、大阪を訪れたときにはぜひ行ってほしいお店である。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 ぽんぐさ
住所 大阪府大阪市福島区福島5-1-22
時間 ランチ11:30~(L.O.14:30)、ディナー17:30~22:30(L.O.21:30)
休日 日曜・祝日
参照元:食マニア Yの書斎
Report:なかの
Photo:Rocketnews24.