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【新駅誕生?】JR東日本・有楽町線・大江戸線・多摩モノレールの延伸案は現状はどうなってるのか徹底的に調査してみた!

2015年4月10日

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2015年3月7日、一部のメディアに掲載された情報で興味深いものがあった。それは、東京都が東京メトロ有楽町線・都営大江戸線など計5路線の延伸・新設に関し、「整備効果が高いことが見込まれる」とする中間報告をまとめた、というもの。

しかし、一口に「整備効果が高いことが見込まれる」と言われても、いまいちピンと来ない人もいるのではないだろうか? 具体的に現在、何がどういう状況であり、近いうちに、この5路線のどれかの整備が実現されるのか? かくいう私もよくわからなかったので、調べてわかりやすくまとめてみた。

・『整備効果の高い5路線』って何?

まず、今回示された見解が一体何かというと……、「(都市整備局)が、(国土交通省)に対し、都内の “ある5つの路線” を、優先して整備すべきだという意見を示した」ということである。

というのも国は現在、平成28年(2016年)からの15年間の整備指針となる基本計画を策定中であり、本年度中に新たな鉄道整備計画をまとめる予定なのだ。今回は、それに対し「都の意見」を示したというもの。

・整備効果の高い5路線

国土交通省が次に着手すべき鉄道整備を検討するにあたり、都が整備を優先すべき路線として示した「整備効果が高いことが見込まれる5路線」は以下の通り。

【JR東日本羽田空港アクセス線】 田町(港区)など〜羽田空港(大田区)新規
【東京メトロ有楽町線(東京8号線)】 豊洲〜住吉 (共に江東区)延伸
【都営大江戸線(東京12号線)】 光が丘〜大泉学園(共に練馬区)延伸
【多摩都市モノレール】 上北台(東大和市)〜箱根ケ崎(瑞穂町)延伸
【多摩都市モノレール】 多摩センター駅(多摩市)〜町田(町田市)延伸

※延伸(えんしん):鉄道を延長し、駅を増やすこと。

・5路線どの鉄道もまだ着工していない

だが、最も重要なのは、いずれの路線も、まだ着工していない……というか、着工すら未確定であるということ。先にも述べた通り、今回は、東京都が国土交通省への提案のなかでまとめた見解にすぎないのだ。この中から果たしていくつの路線が着工に結びつくのかは、正直まだ誰にもわからない。

場合によっては、本年度の審議会で結審されない可能性だってあるのだ。実際、羽田アクセス線以外の4路線は、2000年にすでに「平成27年度(2015年)までに整備着工することが適当である線」と示されているが、いまだ未着手というのが現状である。

・開通するには着工から数年〜十数年かかる

例えば練馬区には、延伸する際の新駅予定地としてすでに区に確保されている緑地がある。仮にまもなくの審議会で延伸が決まったとしても、そこから着工、開通に至るには少なくとも6〜7年はかかるであろうという見方が強い。

また、多摩都市モノレールを延伸するためには、線路の導入空間として新青梅街道が最も適しているが、実際に線路を建設するには、まず新青梅街道の拡幅工事が必要となる。そういった現状を鑑みると、延伸が決まったとしても、着工、開通に至るには少なくとも10〜20年はかかるであろうという見方もある。

ちなみにJRに関しては、「2020年の東京オリンピックまでに『羽田空港アクセス線』を一部区間で暫定的に開業する計画を断念した」と、先日報じられている。仮に今回着工が確定したとしても、オリンピック開幕までに開通させることは困難と判断したものと思われる。

・立ち退きによる道路整備=鉄道工事着工ではない


だが、すでに延伸を目標とした道路整備や街づくりに着手・進行中の地域があるのも事実。ただし、ここも勘違いしてはいけないのが「すでに鉄道工事中」ではないということ。

実際に、上記5路線の該当箇所に住んでいる住民の中には、「民家の立ち退きや、道路整備が進んでいる。これはすでに同時進行で地下鉄工事も行われているのだろう」と思っている人も少なからず存在する。かくいう私もそう思っていたし、実際、いくら近所とはいえ工事の詳しい内容などあまり気に留めないひとだっている。

そこへ突如、近所に新駅予定地が設けられ、看板が立ったり、大規模な立ち退きの動きがあれば、「近い将来新たな駅ができる!」と期待してしまうかもしれない。住宅購入の検討などにも大きく影響する要素でもある。

では、なぜ5路線は「整備効果が高いことが見込まれる」のだろうか?次ページ(その2)にて述べたいと思う。

Report:DEBUNEKO
Photo:RocketNews24.

【新駅誕生?】JR東日本・有楽町線・大江戸線・多摩モノレールの延伸案はどうなってるのか徹底的に調査してみた!(その2)

・5路線はなぜ「整備効果が高いことが見込まれる」のか?

まず、大江戸線に関してその答えを導くのに重要となるのが、『鉄道空白地域』という言葉。この言葉の定義は、「1km圏内に駅がないエリアを有する地域」のことである。練馬区はこの『鉄道空白地域』に新駅設置を予定し、大江戸線延伸によって『鉄道空白地域』の解消を目指している

また、武蔵村山市に関しては都内で唯一、公共鉄道駅がない地域であり、住民は鉄道利用の際、市外の駅を利用しているのが現状。多摩都市モノレールが延伸すれば、武蔵村山市内に駅が設けられることが見込まれ、立川・八王子へのアクセスがよりスムーズになるという展望があるのだ

有楽町線延伸に関しては、江東区の深川地区と城東地区のアクセスが悪く、バスでの移動に依存せざるを得ない環境である。延伸によって、江東区内の南北を結ぶ交通を強化したいとの考えがある。

このような需要に対し、以下に示す課題を現状どの程度クリアしているか、あるいは今後どのように解消していくか、という観点から、今回上記5路線が整備効果が高いと見込まれ、優先すべき路線として示されたのだ。

なお、羽田アクセス線に関しては、浜松町以外の都心部から羽田空港へのアクセスの利便性の向上、活性化を見込んでおり、東京オリンピックまでに間に合わせることを理想としていた

・整備実現に向けてクリアすべき課題

1:導入空間の確保

鉄道を敷設するにあたり必要なのが、実際に線路を引く空間……すなわち、『導入空間』の確保である。地下鉄は道路の下、モノレールは道路の上に敷くのが望ましいとのこと。そのため、導入空間を確保するためにまずは道路整備が必要となるのだ。

この空間がすでに確保されているか、確保が見込まれているかが一つの判断材料となる。練馬区では現在、笹目通り〜土支田通りをつなぐ新しい道路が開通し、さらにその先は大泉学園まで続く道路を整備中であり、この点が評価されたもよう

多摩都市モノレールに関しては、東大和市から武蔵村山市を通り瑞穂町(箱根ケ崎駅所在地)へと続く新青梅街道を導入空間とし、武蔵村山市は新青梅街道の道幅を現状18メートルから30メートルへ拡幅する工事を予定している。この点が評価を得たようだ。

2:収支採算性の確保
延伸、すなわち駅を増やす場合、当然考えなければならないのは、その駅に継続的な需要が見込まれるかどうか。せっかく新たに駅が設置されても、乗り降りする人があまりないんじゃ採算がとれない。この点はどの路線においても課題となっているようだ。

3:予算の確保

──大きくはこの3点である。

候補に挙がっている地域の大半は、距離的には近いが、適した交通の便がなく遠回りを余儀なくされている住人が少なくないのが現状であり、早期実現が強く望まれている。決まったとしても実現はまだまだ先の事だが、該当地域に住む人にとっては大事な問題であることに変わりはない。今後の経過に要注目である。

参考リンク:練馬区江東区武蔵村山市JR東日本FNNResponse.
執筆:DEBUNEKO
Photo:RocketNews24.

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