誰もが一度は見たことがある、二宮金次郎(二宮尊徳)像。通っていた小学校に置かれていたという人もいるかもしれない。最近放映されたテレビ番組で、群馬県にある金次郎像がおかしいとネット上で話題になった。
その金次郎はなんとジェットパックを背負い、若干台座から浮遊しているのである。金次郎の進化形として話題になっていたのだが、作者はどういう意図でこれを制作したのだろうか? とても気になったので、アーティストの飯野哲心さんになぜ制作したのかを尋ねてみた。実はこのほかにも、かなりユニークな作品が存在した。
・ジェット二宮金次郎を制作した飯野哲心さんのコメント
「ジェット二宮金次郎ですが本来の二宮金次郎像は『勤勉』や『マジメ』であることを子供に伝えるためのモニュメントですが、僕から子供たちに伝えたいことは「ユーモアを持ってサバイブしよう」です。
子供たちは受験、恋、部活やスクールカーストなど様々な戦いに身を置いています。僕らからみたらちっぽけだったり笑っちゃうような戦いもあるのですが、彼らは常に真剣ですし、僕らもかつては真剣に闘ってました。かつてそんな子供だった僕からの「マジメもいいけどちょっと頭を柔らかくして考えてみようか」的なアドバイスです」
・登校が楽しくなる
たしかにジェット金次郎像を見ると、思わずクスッと笑ってしまう。堅いイメージのある金次郎が、若干浮遊してしまっているところがなんともユーモラスである。時に緊張感の漂う学校でも、登校時にコレを見たら何だか気楽になれそうである。
・2月3日まで個展開催
ちなみに飯野さんは、2015年2月3日までの日程で、東京・自由が丘の「GALLERY & COFFEE るなん」という喫茶店で個展を開催している。こちらには屏風絵や水墨画を展示している。これらの作品もまた、彼らしいユーモアに富んでいて、たとえば「ジャーマンスープレックス如来」や「シャイニングウィーザード菩薩」など、仏像がプロレス技をかますという奇抜な作品だ。
一体このような着想は、どこから生まれてくるのだろうか? 自らの作品について、飯野さんはこう語っている。
・自らの作品についての飯野さんのコメント
「僕の作品についてですが、自分の男子的価値観(カブトムシやスーパーカー的なカッコ良さやおバカさ)とオタク性を元に制作してます。表現方法は主に彫刻ですが、今回の屏風絵や水墨画など、やりたいことによって形態は変わります。ぐちぐち書きましたがジェット二宮金次郎も単純には「学校の校庭にこんな彫刻あったらいいな」から始まっています」
・小学校の男子的思考
なるほど、小学校の男子的思考の延長戦上に、これらの面白作品の発想が生まれたようである。これからもその着想を生かした作品を、どんどん作って欲しい。そして世の中をアッといわせ続けてもらいたい。なお、飯野さんの個展は本日まで。入場無料なので、ぜひともその世界観に触れてみて欲しい。
・飯野哲心個展「仏ロワイヤル」
会場:GALLERY & COFFEE るなん
住所:東京都目黒区自由が丘1-9-6 (東京書房2F)
時間:19時まで
参照元:飯野哲心公式ブログ
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
▼ネット上で話題になったジェット二宮金次郎像
▼浮力でちょっと浮いてる
▼自由が丘「GALLERY & COFFEE るなん」の個展に展示している作品もなかなかぶっ飛んでる
▼ジャーマンスープレックス如来
▼如来のスープレックスは、受身も間に合わないらしい
▼キレイなブリッジ
▼顔が見えない
▼小さいのもあるぞ。買うか随分迷った……
▼コブラツイスト明王
▼垂直落下式ブレーンバスター如来
▼シャイニングウィザード菩薩
▼ラリアット菩薩
▼風神雷神の屏風絵。良くみると、プロレスでお馴染みの凶器を持ってる
▼こちらは「GALLERY & COFFEE るなん」の前に設置された、精霊馬。乗ることができるぞ