今も江戸情緒が色濃く残る街、東京は浅草。浅草寺や雷門など、人通りも多くにぎやかな表情がある一方で、少し歩みを進めると、閑静な寺町の風情が感じられる。浅草寺や花やしきの裏手側……。ちょうど「観音通り」と呼ばれるエリアがまさにそうである。
つい先日のこと。浅草で「寒いし暖かいソバでも食べたいなー」と思いつつ歩いていたときのこと。決して人通りの多くない通りで、ひっそりと、しかし威厳あるたたずまいの蕎麦屋さんを発見した……! それが観音通りに店を構える『弁天』である。
・グルメの名店が多い観音通り
「観音通り」とは、先述したように浅草寺や花やしきの裏手に当たる。言問(こととい)通りを渡った、住所でいうと浅草3丁目の辺りだ。以前ご紹介した、大学いもの『千葉屋』や、ナポリタンの『ロッジ赤石』など、浅草でも特にグルメの名店が多いスポットである。
『弁天』は初めて見るお店だったが、「この店はただものじゃない……!」とレーダーが反応しまくり、迷うことなく入店。15時前という中途半端な時間であったにもかかわらず、お店は8割ほどが埋まっていた。店内も、かしこまってはいないが明け透けすぎない、ちょうどいい雰囲気であった。
「な・に・し・よ・う・か・な?」と迷うことなく反応したのは「牡蠣なんばん」の文字……。絶対にウマいに決まってる! だが「ハマグリそば」の魔力にも抗うことが出来ず、迷いに迷った挙句、2つとも注文することに。10分ほどで料理がやって来た……!
・絶品「ハマグリそば」
まずは「ハマグリそば」から。幼児のこぶしくらいある大きなハマグリが3つ入っている。食べてみると、カツオ出汁とハマグリのウマさがギュッと詰まったおつゆが絶品。ほのかに香る柚子と三つ葉がいいアクセントになっている。
細切りの蕎麦も、程よいコシと蕎麦そのものの香りが楽しめる……やはり……! ただの蕎麦屋ではない!! 偶然入ったお店であったが、確かな技術とこだわりに震えずにはいられない。一般的にハマグリの旬は春先と言われているが、その時期になったらどれだけウマくなってしまうというのか?
・「牡蠣なんばん」で証明された腕前
続いての「牡蠣なんばん」は、超大粒の牡蠣が4つも入っている。火を通して多少は縮まっていてこのサイズとは……! 牡蠣好きならば、これだけで叫びだしたくなるようなビジュアルである。汁は「なんばん」という通り、とろみがついており、冷えた体を温めるには最高の一杯だ。
プルップルの牡蠣から食べてみると、もう……ハンパなくミルキーである。「牡蠣=海のミルク」と最初に表現した人を、改めて褒め称えたくなるようなミルキーさ。牡蠣の柔らかさを最大限に保ちつつ旨味を引き出す腕たるや……! 4つ目の牡蠣に手を出すときには気絶寸前のウマさであった。
浅草には美味しいものが多く、何を食べようか迷うところだが、こちらの「弁天」も自信を持ってオススメできる。特に「牡蠣なんばん」は期間限定だから、牡蠣好きの人はお見逃しのないように。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名:弁天
住所:東京都台東区浅草3-21-8
時間:月~土 11:30~22:00 / 日曜 11:30~21:30
休日:水曜日
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼ハマグリそば。大きなハマグリが3つ入っている。
▼牡蠣なんばん。こちらは牡蠣が4つも!
▼蕎麦ももちろんウマい。
▼この牡蠣の大きさたるや……! しかも抜群の腕を感じずにはいられない。
▼観音通りの弁天だ。迷うことなくオススメである。