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【考察】大学より予備校のほうが楽しいのはなぜなのか / 思い当たる原因を5つ挙げてみた‏

2014年12月17日

一部では「大学よりも楽しい」という声すらある大学受験予備校。かくいう私も、某予備校経由で志望校入学を果たしたのであるが……実際、予備校のほうが楽しかったクチである。──なぜなのか。

受験生=ファイター ではないのか? 受験とは本来、ツラく苦しい自分との闘いなはず。楽しそうなファイターなんて、まるで減量中のボクサーが、満面の笑みでスパーリングしているような違和感をおぼえる。大学をエンジョイするための予備校をエンジョイしてしまう、この本末転倒ともいえる現象は一体なぜ起きてしまうのか?

以下に、“結構偏ってるけどあながち間違いではなかろう見解” を示したい。胸に手を当てて考えてみて欲しい。浪人悪くないな(笑)とか、もう一浪してもいいかな? なんて思ったことがないか……ダメよ〜ダメダメ! YESな人こそ必読である。

1. 男女混合のドキドキ

男子校・女子校・共学校とある以上、単純計算で日本の学生の3分の2は男女別々に教育を受けていることになる。となると……今まで別々の檻の中で過ごしてきた若くエネルギッシュな男女は、檻を出た瞬間、一気に自我を解き放ってしまう傾向にあるようだ。そんな解放感溢れる人間が一堂に会すれば、どうなるのかはなんとなく想像はつくだろう。

本来であれば高校を卒業し、大学でそうなる事を俗に大学デビューと呼ぶが、浪人という道を選んだ者には、予備校というワンクッションが入る。その予備校で一足お先にデビューしてしまう……すなわち、大学デビューのフライング的現象といえる。

2. 華のある講師陣

予備校業界はある意味小さな芸能界と言っても過言ではない。というのも、予備校講師には “カリスマ講師” と呼ばれる先生が各教科に存在するからである。なかには流行語大賞をとってしまう先生までいたりと、一般の学校教諭のそれとは明らかに比べ物にならないようなカリスマ性を備えている先生もいるのだ。

人気のある先生は、とにかく人の心をつかむ技に長けている。ステキな先生もいたりする。ルックスよし・教え方よし・芸人級に面白い と、魅惑の三拍子を兼ねそろえた、いわばアイドルなのである!

3. 夢に向かって一直線な自分への陶酔

一つの目標に向かって、ひたすらにガンバル自分にちょっと感動するのだ。誇りを感じるのだ。志望校に向け努力している充実感、授業ごとに学力が伸びてゆく実感。何より、先生が素敵。人気講師の授業を受けているだけで、板書をノートに記すだけで、それだけで頭が良くなったという錯覚。それすなわち、青春なのであります。(注:復習しないと無意味なのは言うまでもない)

4. 一喜一憂すら美しい

模試の結果に一喜一憂。受験とは恋のようだ。志望校への想いは実るのか……。諦めて無難なところで妥協するべきか……。頭を巡るのは素晴らしきキャンパスライフ。脳内の自分は、一足先に憧れの大学のキャンパスを教科書片手に歩いている。いや、スキップしている。爽やかなセンパイとテニスしている。そんな妄想も交えつつ、模試の合格判定を眺め、ため息交じりに一喜一憂。すなわち、恋である。

5. 本当に恋をする

1で述べたフライングデビューのなれの果て。目標に向かって切磋琢磨する者同士が、あらぬ形で意気投合してしまうパターンである。「一緒に予習しよッ」などと言って、自習室やらファミレスやらで和気アイアイしてしまう……という、なんともフレッシュな現象である。

なお、恋の矛先が先生に向いてしまうというパターンも割と多く存在する。それをバネに伸びるケースもあれば、完全に勉強がはかどらないという悲劇的なケースも生じ得るので、後者には特に要注意だ。

結論:「一足お先に」はご法度

以上が、充実予備校生活の正体ではないかと考える。とにかく、「一足お先に」色々満喫してしまうのだ。しかし! 受験とはやはり、「ツラくて当然」。そこを乗り越えるからこそ、達成した時嬉しいのであって、受験生であるにもかかわらず青春をフラゲしてしまった場合、後の大学生活は思いのほか退屈で張り合いのないものになってしまうかもしれない……と、私は分析する。

受験生の皆さんには、どうか合格して、爽やかにテニスして欲しい! 年が明ければセンター試験。いよいよ本格的な受験シーズンの到来である。あらためて気合いを入れよう! 喝(勝)ッ!!

執筆:DEBUNEKO
イラスト: マミヤ狂四郎

▼カラフルなノート。内容は見るからに充実しているが、本当にこれ全部あたまに入っていたのだろうか

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