あなたが女性だったとしよう。初めてのデートのとき、彼が短パンにハイソックス姿で現れたらどう思うだろう? おそらくキュンキュンしていた気持ちも一気に冷めるはずだ。ところがどうだろう、これが白人男性なら許せはしまいか?「……ありかな」と自然に思えてしまわないだろうか?
ウエストポーチをヘソの下にぶら下げていても何となく受け入れられるハズだ。顔立ちなのか、骨格なのか……妙にサマになってしまうのだ。これは数年前、公園で見かけた白人男性が “アレ” にかじりつく姿に感動したときの話である。
・雪山へ行くような格好の白人男性
とある冬の日、私(筆者)が上野公園の喫煙所でタバコを吸っていたときのことだ。上野公園には外国人観光客が多い。その白人男性はおそらく30歳くらいで、自分の頭より高いリュックサックを背負っていた。彼はブルゾンなどを着込み、まるで雪山へ出かけるような格好だ。
いかにも重そうな荷物を地面に置き、ベンチに腰を下ろした彼は、ポケットからガイドブックらしきものを取り出して読んでいる。私は英語が達者ではないが、この近所の地理ならある程度わかる。困っているようなら声をかけてみようか……と思いつつ、彼を眺めていた。
・アレにかじりついた……!
そのうち彼はガイドブックをベンチに置いて立ち上がり、でっかいリュックをいじくり始めた。どうやら何かを探しているらしい……。しばしの格闘の末、ようやくお目当てのものを発見したらしく、何かをポケットにねじ込み、またベンチに腰かけた。
おもむろに前かがみになった彼が、ポケットから取り出した “アレ” にかじりつく姿を見て私は目を疑った。かかか、カッコいい……! う、ウソだろ……!! 初めて見る光景なのに、サマになりすぎている。ごくごく自然に、かつワイルドに彼がかじりついていたものとは……!?
・奇跡の瞬間
それは、アメリカ生まれのお菓子『スニッカーズ』である……!「お腹が空いたらスニッカーズ♪」の『スニッカーズ』である! いつかスキー場で食べてみたい『スニッカーズ』であるッ!! 骨格なのか顔立ちなのか? 理由はわからないがその姿はあまりにもカッコよすぎた。
“サラリーマンが食パンを口に「遅刻遅刻ッ」と言いながら小走りしている光景” に遭遇したような、“下駄の緒が切れて「不吉……!」と呟く人” を目撃したような、“泣いてたら顔を蜂に刺された” ような奇跡の瞬間……! そんな感覚に陥ったのだ。
「雪山へ行くような格好の白人男性+スニッカーズ」のコンビネーションは私に大きなインパクトと感動を与えてくれた。この日、私はコンビニで人生初のスニッカーズを購入し、鏡の前で食べてみたがやはり全然違う……。せめて私が二重なら良かったのか? 答えはわからない。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼白人男性が食べていたスニッカーズ。