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【珍スポ入門】第二の石田三成を夢見た男 / 地元黙殺型の巨大テーマパーク「佐和山遊園」に行ってみた Byクーロン黒沢

2014年10月7日

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地味で人気のない戦国武将の代名詞といえば、関ヶ原で徳川家康率いる東軍と戦ったはいいが、次々と仲間から裏切られ、六条河原で処刑されてしまった石田三成であろう。

そんな三成を敬愛してやまない滋賀の大富豪・泉巌(いずみがん)さんは、1970年代に全財産を投げ打ち、琵琶湖のほとりに三成の居城・佐和山城を復元(?)しようと思い立つ。

新たに設計された新・佐和山城を中核とする壮大な歴史テーマパーク、その名も「佐和山遊園」は、着工から40年経った今も増築に増築を重ね、完成の見込みはほとんどなく、完成どころか端から崩壊しつつあり、ムチャクチャになっているという噂を聞いて、現地に行ってまいりました。

・半ば馬鹿にしていた己を恥じる超絶スケール、度肝を抜かれた!

山間の広大な敷地に40年の歳月をかけ、思いつくまま次々と再現された石田三成ゆかりの建物が密集する佐和山遊園。かつては入場料を取っていたようだが、今は無料だ。

ひときわスケールの大きな佐和山城(自称)を筆頭に、金閣寺と見がまう金ピカの巨大寺、五重塔など、そこら中、巨大建築物だらけ。

しかし、その全てに共通するのは、パッと見すごいが よく見ると何かがおかしい……てこと。お城の天守閣が物置だったり、巨大な城にホームセンターで買ってきたようなドアがくっついてたり、何かが狂っている。

園内そこかしこに並べられた、手作りと思われるフルスケールの仏像や仁王像は、オーナー自ら製作したものらしく、ヘタウマ感が漂いまくり。製作時期によって顔つきがサイヤ人風だったり、かと思えば何処からか買ってきたとしか思えない大量のヴィーナス像が並んでたり、何ひとつ筋が通っていない。

・地元民には全く愛されていないことが判明!

ほとんどの建物が崩壊寸前。だが廃墟かと思いきや、どこか狂った造形の石田三成像の下で、芝刈りをする男たちを発見。従業員かと話しかけると──。

「違う違う、頼まれてやってるだけだよ! へえ、あんた東京から来たの? 物好きだねえ」──感心されてしまった。

彦根市の公式観光サイトでも完全に黙殺されている佐和山遊園。私に言わせれば滋賀最強のミステリースポット。ここだけ見に来ても後悔しないと、自信を持ってオススメする。

謎のオーナーは御年80歳オーバー。行政からここまで邪険に扱われている現状を鑑みるに、いつ無くなっても後悔先に立たず。ぜひとも健在なうちに訪れ、不思議空間を体験してもらいたい。

・今回ご紹介した施設の詳細データ

店名 佐和山遊園
住所 滋賀県彦根市古沢町1156

Report : クーロン黒沢
Photo : Rocketnews24.

▼佐和山遊園の看板。欠けてる文字があるのはご愛嬌

▼門が半分閉まっているが、無料公開中である

▼園内は上手なのかヘタなのかわからない謎の像だらけ

▼壮大な五重塔

▼布袋寅泰風の仁王像

▼併設の「佐和山美術館」に入ってみた。胸騒ぎのする玄関

▼受付に未開封で置かれたビールとつまみの缶詰

▼歴史を感じさせる建物……と思いきや

▼思いっきり残念なドアがついていた

▼金閣寺、ではなく三成が建てた寺を再現したものらしい?

▼マジで危険な箇所もあるので足元や頭上には要注意。

▼和洋折衷

▼腐った屋根が落ちかけていた

▼危険を承知で、すばらしい芸術品を鑑賞させていただく

▼言葉に詰まる作品の数々

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