愛知県江南市。名鉄犬山線:布袋駅から徒歩10分のところに、高さ18メートル。一昨日作ったように真新しいコンクリート製の大仏が鎮座している。
高さは奈良・東大寺大仏殿の像より2メートル大きく、個人所有(!)のものとしては日本最大級──とのことだが、残念ながら一般人にはほとんど知名度がない。
だがなぜか、珍スポマニアにとっては「知らなきゃモグリ」な聖地のひとつだったりして。というわけで聖地巡礼、颯爽と行って参りました。
・夢を見た鍼灸師がハンドメイドで作ってしまった異色の大仏
日本最大級にもかかわらず、一般大衆からまるで注目されない理由を考えてみた。中途半端に新しい、コンクリ製、のっぺり顔、なで肩で頼りなさげ……色々あるけど本当のところは謎。ま、「中途半端に新しい」といっても、東大寺の大仏と比較すればこそ、歴史はそれなりに古い。
きっかけとなったのは終戦間もない1949年。当時、名古屋市で鍼灸師を営んでいた前田秀信(当時43歳)さんが、夢のお告げにより大仏造立を決意。郊外の田んぼを独力で整地し、セメントをこね、夢から5年後の1954年に自力で完成。以来、町のシンボルとなっている。
私が訪れたさい、ちょうどタイミングよく信者の方がいらっしゃった。大仏前で両手を合わせ、何やら念仏を唱え、正座して一礼、土下座して一礼……っと、最終的にはチベットの五体投地みたいなことを始めてギョッとさせられたが、それだけご利益があるのだろう。
大仏の真下はふつうに民家と一体化しており「大佛治療院」という治療院が営業している。残念ながら移転して不在だったが、移転のお知らせが日本語じゃなかったのがまた、謎であった……。
Report : クーロン黒沢
Photo : Rocketnews24.
・詳細データ
店名 布袋の大仏(御嶽薬師尊)
住所 愛知県江南市木賀町大門135
時間 なし
休日 年中無休
▼腫れぼったくもありがたいご尊顔
▼誓願すると悟りを開けるそうです
▼横の掲示板はこうした御札で埋まっていました
▼大仏の裏はなんと住居になっている
▼その名も大仏治療院!
▼事情があって移転したそうだが、なぜポルトガル語……
▼鐘もあります
▼春になると、満開の桜の中から布袋の大仏が拝めるそうだ