去る2014年4月30日、5月22日に相次いで爆発事件が起きた中国の新疆ウイグル自治区。民族間の衝突がたびたび報じられる同地区だが、ウイグル地域はロプノールで地下核実験が行われたことでも知られている。
中国政府の公式発表によると、核実験は水爆実験を含め1964年から96年までに46回行われたとのこと。そんな新疆ウイグル地区の放射線量を、現地で実際に測定してきたのでご報告しておきたい。
・日本人旅行者も被爆している可能性がある!?
ちなみに一説によると、核実験の影響で同自治区のウイグル人を中心に19万人が急死し、中国国内の健康被害者は129万人にのぼると言われている。さらに、シルクロードを訪れた27万人の日本人旅行者も被爆している可能性があるとされる。お、恐ろしい……。
・実際に「エアカウンター」を持ちこんで測定してみた
使用したのはごく普通の、「ST 家庭用放射線測定器 エアカウンター」である。……やる気があるのか? いずれにしろロプノール以外の地域で10回ほど測定した結果、以下のような数値となった。
ウルムチ市内:0.11~0.12μSv/h
ウルムチ郊外(天池):0.11~0.12μSv/h
トルファン市内:0.12~0.13μSv/h
トルファン郊外(トマ村):0.12μSv/h
タクラマカン砂漠北部:0.13μSv/h
・観光するには問題のない放射線量。ただしロプノール以外!
計測結果はすべて0.10~0.13μSv/hの間であり、JAEAの定める放射線安全基準に照らし合わせると、たった数日観光する分には問題ない放射線量のようであった。なお、中央アジアに接するカシュガル近辺一帯は含んでいない。さらに精度を求めたいのであれば、当然ながら高品質のガイガーカウンターを持ちこむことをお勧めする。
参考リンク:日本ウイグル協会
Report:安宿緑
Photo:RocketNews24.
▼核実験が行われた位置
▼まずはウイグル地区の首都ウルムチ市内
▼0.11μSv/h。「測定中」という表示がいつまでも消えなかった
▼続いてトルファン市内
▼あまり変わらない。
▼ロプノールは現在、個人での立ち入りが非常に困難で、記者が核実験場まで最大限に接近できたのは火焔山付近にあるタクラマカン砂漠の一端であった。
▼火焔山から一時間ほど車を走らせた場所にある、タクラマカン砂漠に通じる入口。