日本の第2戦目が行われるブラジルのナタール。この街は美しいビーチがあるリゾート地だ。私は、ブラジルに入っている多くのサポーターと同じく、第1戦目が行われたレシフェから、ナタールへ移動した。
街が誇る美しいビーチを歩いている時、私は1人の男性から「日本人か? チケット持っているけどいらないか?」と声をかけられた。今回はその時の体験を紹介したい。
場所は、ナタールの随一の人気スポット、ポンタネグラ・ビーチだ。声をかけて来た男性は、どこの国の人なのかは分からない。聞いても答えてくれなかったからだ。ただ、流暢に英語を話す人だった。
彼によると、日本対ギリシャ戦のカテゴリー1のチケットを持っているとのこと。なお、ギリシャ戦のカテゴリー1のチケットは、FIFAの公式サイトで購入すると約1万8000円である。
・5倍以上の価格
私が彼に「いくら?」と聞くと、2000レアル、日本円にして約9万2000円だという。FIFAから直接購入した場合に比べて、5倍以上だ。
当然ながらこれらの価格は、販売する個人によって設定されているため、売る人によって異なる。本来の価格に近い値段の場合もあるだろうし、今回の様に高値の場合もあるだろう。加えて、試合直前になると、これ以上に価格を釣り上げて販売する人が現れることも考えられる。
ちなみに、その後どうなったのかというと、私が本物かどうかを確認するため、「先にチケットを見せてほしい」と言うと、向こうは「先に現金を見たい」と主張。それが何度か続き、当初から私に買うつもりがなかったため、「では、いらない」と彼から離れたのだ。
・リスクが高い行為
ワールドカップに限らず、他のスポーツの試合やミュージシャンのライブなどでも、そのようなことは起こりがちだ。中には、「キャンセルしたので誰かに譲りたい」という動機から、比較的元の値段に近い価格で販売している人だっているだろう。
しかし一方で、「最初から試合に行くつもりはなかったが、とりあえず買い占めて高値で売ろう」という人や、最悪の場合、盗まれたチケットが流れてきて販売されているケースも考えられる。どちらにせよ、FIFA の規約に抵触する行為だ。
また、偽物のチケットをつかまされるパターンや、そもそもチケットなど持っておらず、現金を渡したら、そのままどこかへ行ってしまうこともある。
その上、仮にそのような方法でチケットを入手出来たとしても、試合会場に入る際に本人確認をされたらどうすることもできない。第1戦目のコートジボアール戦では、私の場合は確認されなかったが、どの試合でも行われないとは限らない。
安全上の面でも、スタジアムに入れるかどうかという面でもリスクが高いので、現地で観戦予定の方はご注意を!
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼人気リゾートのポンタネグラ・ビーチ
▼ビーチではチケットを販売する人も