突然だが、みなさんは「理化学研究所(理研)」という研究機関をご存知だろうか? 理研は、物理学、化学、工学、生物学、医科学などあらゆる分野の研究を行う日本唯一の自然科学の総合研究所のこと。
文科省所管の独立行政法人であり、その設置目的を「理化学分野における、平和的かつ産業に資する活動を行うことで、わが国産業の技術革新を推進し、公共の利益に資することである」とされている。
まさに日本の科学技術を担う研究機関なのだが、その理研が「はじまった」と話題になっている。というのも、最先技術のプロモーションビデオが擬人化美少女登場のSFアニメ調だから! さらに細かい設定にマンガまで用意されるという力の入れようなのだ。
・SFアニメ風のムービーがかなりガチ!
早速、公開されているムービーを見てみたところ……何やこれーっ!! 古きよきアニメソング風の楽曲にあわせて「キュピーン! シャキーン!!」と、ところ狭しに美少女アンドロイドが立ち回っている! アニメの制作者と見られるのクレジットも入っており、完全にアニメのオープニングだ。言われないと理研のムービーだとは気づかないだろう。
・擬人化少女「播磨サクラ」ちゃん
今回、話題の動画を公開したのは理研の播磨研究所だ。擬人化された公式キャラクターの名は「播磨サクラ」。この名称は同研究所のX線自由電子レーザー施設「SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser」の頭文字をとった「SACLA(サクラ)」から取られたものだ。
・理研の「SACLA」ってなに?
「SACLA」は、X線レーザーを使ってピコミリメートルのものまで見ることができるという顕微鏡のような施設だ。1ピコメートルはミリメートルに換算すると「10億分の1ミリ」。当然、人の目では見ることができない大きさだ。肉眼では確認できない物質の構造を見ることができ、新薬等の開発に期待が寄せられているという。つまるところ、「SACLA」は途方もない技術なのである!
その「SACLA」の公式キャラだけあって、サクラちゃんは肉眼では見ることができない原子の世界を覗くことができるという人工生命体「ピコドロイド」だ。その高い能力で科学者たちと協力し、果てしなく広がる原子の世界を探求しているのである。
・公式サイトもガチすぎて笑った
さらに、播磨サクラの公式サイトを見てみたところ、かなり細かい人物設定や漫画も掲載されていて笑った。サクラちゃんの好物の「ホルモンうどん」って研究所がある兵庫県佐用町の名物やん。どんだけマニアックやねん。
このつきぬけた試みに、ネットユーザーからも「全力で馬鹿やってる大人やwww 」や「理化学研究所なにやってんのwww」、「こういうのだいすきやわ〜」などと好意的な声が寄せられている。ここまでガチだと逆に清々しい。「擬人化」に「美少女」に「アンドロイド」。いろいろな意味で日本の知恵と技術が集結している気がした……。
なお、X線自由電子レーザー「SACLA」の仕組みは魔法少女ものに出てきそうな愛らしいキャラクター「ピコネコ」がやさしく解説してくれているので、興味がある人は見てみると面白いかもしれないぞ!
参照元:YouTuber、 SACLA
執筆:沢井メグ
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