やってはいけないことを “あえてやりたくなってしまう” のが人間である。もし “やってしまったら” どうなるのか。どんな展開が待ち受けているのか。その “やってしまう” スイッチを簡単にONにしてしまうのが露出狂などの性的犯罪者であるが、普通の人のスイッチも案外ガバガバである。
例えばキスだ。別にその気は全然ない。いたって普通のノンケであるが、いま隣にいるアイツの唇に、「そっ……」と俺の唇を重ねてしまったら……と考えてしまうことはよくある話だ。つまりは妄想。禁断の妄想である。あれは一体なんなのか。
■「ちょ、ちょっとやめ……なにしてんすか……(かぁっ)」と赤面
同僚(男)と全然普通の会話をしつつ、ふと、突然、チュッとする。きっとアイツは「お、おいっ! なにしてんだよ!」とマジギレするだろう。しかし、若手のアノ男だったら違う反応をするかもしれない。「ちょ、ちょっとやめ……なにしてんすか……(かぁっ)」と赤面するかもしれない。
決して、本当にキスはしない。だが、射程距離には入っている。異次元展開になるかどうかは、私の行動力にかかっている。やるのか俺。できんのか俺。やったら取り返しの付かないことになるかもしれない。それでもやるのか。いつやるのか? 今なのか? しかし、やらないのだ。
■カーチャン(母親)にキスしてしまったら……
同性の唇だけではない。異性、それもカーチャン(母親)にキスしてしまったらどうなってしまうのだろうか……と考えたりすることもよくある話。ネーチャン(姉)にキスしてしまったら……とも考えたことはあるが、なぜかトーチャン(父親)相手は考えられない。あれは一体なんなのか。
■キスは麻薬
いずれにしても、キスというものは、その相手と最初に「チュッ」とした時の感動がハンパない。つまりは「その人とのファーストキス」だ。全神経が唇に集中し、頭が真っ白になる麻薬的な恍惚のひとときが味わえる。異性であのレベルだ。となると異性ではなく、禁断の同性相手だとしたら……恍惚感もビックバン!!
そんなことを考えるだけで、なぜだか無性にドキドキしてくる。キスはしていないけれど、変な気持ちになってくる。これだけでもオトクであるし、頭で考えているだけなので無罪である。ドキドキが足りないとお困りならば、迷わず「禁断のキス妄想」をしてみることをオススメしたい。きっとドキドキするはずだから。
(文=GO / 写真=ロケットニュース24)
GOさんのシリーズコラム『あれは一体なんなのか。』