近頃は、化学調味料を使わないラーメン店が増えているようだ。それらのお店は「無化調(むかちょう)ラーメン」と呼ばれることがある。健康志向の女性の間では評価が高いのだが、力強い味を求める男性にとってはやや物足りないかもしれない。
そんな無化調のイメージを払拭するようなラーメン店が仙台にあった。「麺匠ぼんてん」は化学調味料に頼ることなく、深いコクと旨味を実現するお店として、東北ラーメンファンをうならせているという。早速その味をたしかめに行ってみた!
お店は仙台駅東口から徒歩3分のところにある。繁華な界隈からは離れているため、お店周辺の人通りはそう多いとは言えない。しかし開店時間の11時30分が近づくと、どこからともなく人が集まり始め、にわかに行列ができるのである。どうやらお店が高評価を得ているのは、間違いなさそうだ。
記者(私)は正直無化調にあまり良いイメージがない。健康志向はわかるのだが、「頼りない味」という印象がある。「やさしい味」と表現することもできるのだが、それはあくまで良い言い方であって、実際はなぐさめのようにしか感じられないからだ。
そう思いながら味玉ラーメンをオーダーした。だが、その考えは間違いであることに気がついた。提供されたラーメンは力強い味わい。鶏と魚介をベースにしたスープは澄み切っているのに、深いコクがある。魚介の臭みは一切なく、旨味がパッと口のなかに広がってスッと消えていくのだ。
幅広の太麺は表面滑らか、スルスルと口のなかに入ってくる。それでいてしっかりとした歯ごたえで、食べ応え十分。さらにハシでつまむととろけるようなチャーシューが絶品。具材それぞれが主張しながらも、バランスのとれたラーメンに仕上がっている。無化調であっても、食べ応えのあるラーメンに関心した次第である。
これなら女性だけでなく、男性でも納得するに違いないだろう。無化調ラーメンを「やさしいだけの味」と考えている方は、ぜひ一度訪ねて欲しい。その考えがくつがえされるに違いないはずだ。
■店舗情報 「麺匠ぼんてん」
住所:宮城県仙台市宮城野区榴岡4-4-7 STAGE21 1F
営業時間:平日11:30~15:00、17:00~22:00 土・日・祝日11:30~20:00
定休日:火曜日
レポート:フードクイーン・佐藤
▼ ぼんてんの味玉ラーメン
▼ 澄んだスープに、幅広の太麺
▼ 開店時間前には行列ができる人気店