2012年中華人民共和国の国防予算は6702億7400万元(約8兆3000億円)。伸び率も2年連続で2ケタ台だ。また昨年度の軍事費はアメリカについで世界2位だったことも発表されている。
経済成長とともに軍備も強化している中国。先日、そんな中国海軍の軍用糧食(レーション)を手に入れることに成功した。多額の軍事費をかける中国軍の食事はどんな味がするのだろう。早速食べてみた!
■1袋にチャーハンが2種類入っていた
記者が購入したのは、人民解放軍海軍の「自熱食品」だ。「自から熱を発する食品」、火がなくても温めることができる食品のようだ。
中身は肉チャーハンに五目チャーハン、以上。炭水化物祭りだ。2つ合わせて1110キロカロリーとのことだが……軍人はこれくらいのカロリーが必要なのかもしれない。
■難しい操作はいらない! コップ一杯の水があればOK
温めるのにはコップ一杯の水があればOKだ。水で調理をするのではない。この水は加熱剤を発熱させるのが目的だ。雨水などでも対応できるのではないだろうか。飲料水が貴重なケースに大変ありがたい仕様である。
■味はコンビニ「中華おこわ」にソックリで美味しい! でもチャーハンとはいいがたい
水を入れると、ゴゴゴゴゴ……という音が。プシューと湯気が立ち上る。中国だけに爆発か!? とビビってしまったが、待つこと15分、中身はホカホカに温まっていた。
早速、チャーハンを取り出してみる。出てきたのは四角く圧縮されたコメの塊であった。チャーハンと言えば、パラっとしたものだ。中まで温まっているのにコメ同士がこれ以上ないほどくっついていている。申し訳ないが見た目はパウチ式のドッグフードだ。
食べてみると……意外といける。コメは固まった状態であるものの、味はまんべんなくついている。モッチリとしていてコンビニの中華風おこわの味ソックリだ。また、シイタケ、ニンジン、グリンピースなど野菜もキッチリ入っているのが嬉しい。チャーハンのイメージからは程遠い。しかし、火が起こせない場所での非常食としてはなかなか美味しかった。
■実は上海の同人イベントで買った
この軍用糧食は、何故か上海の同人誌即売会の軍事愛好家ブースで売られていたのである。聞けば本物だという。信じられなかったが、海軍出身と見られる来場者も「お! 懐かしいな」、「俺は陸軍だったが、海軍はメニューがまた違うんだな」などと口々につぶやいていた。
同人イベントで販売していいのかどうかは別として、中国の軍用糧食は民間への販売自体はOKらしい。現地のミリタリーショップやネット通販でも購入可能である。保存期間も2年~4年。非常食として常備しておくのもアリかもしれない。
photo:Rocketnews24.