もうすぐ夏休み! 今から旅行の計画を立てたり、海や山に出かける予定を組んでいる人もいるだろう。不慣れな土地に行くのなら、その土地の情報に明るい人と仲良くなっておいた方がいい。特に海に行く場合には、予定している海岸や浜のことを良く知っている人と仲良くしておくべきだ。
なぜなら、海に詳しい人は、自分だけしか知らないという最高のスポットを1つや2つ心得ている。その人がこっそり訪れるという、隠れ家的な場所に連れてってもらおう。
記者(私)は最近、所用で島根県を訪れた。新幹線も通っていない県なので、都市部からのアクセスはあまり良いとは言えない。またこの土地のことをあまり知らない。関西ならいざしらず、関東の人から見ればとても遠い場所なので、出雲大社などの観光スポットしか存じ上げていなかった(その出雲大社にさえ、行ったことがない)。
今回は、島根県出身の人とたまたま一緒に行くこととなって、いろいろな場所を案内してもらうことになった。そのなかでも取り分け気に入ったのが海だ。
旧跡や神社仏閣について、有名なのは承知していたのだが、島根の海がきれいだとは知らなかった。彼に言わせれば「海の近くで育った人は、大抵お気に入りの場所があるものですよ。島根に限った話ではないと思うけど」とのこと。
そういって彼が連れて行った場所は、海水浴場でもなければ、海岸でもない。海辺のパーキングに車を止めると、草木が生い茂る所をかき分けて、道なき道を下る山道であった。まとわりつくような木々をはね除け、クモの巣に絡め取られながらゴツゴツとした岩の混じった斜面を下ると、そこにはとても小さな湾が開けていたのである。
地図でここがどこなのかは定かではないが、彼が言うには主要な海水浴場の合間で、大抵の人は素通りしていくそうだ。たしかに、今降りて来た道の上の方で、車が通り過ぎる音はするものの、誰一人として降りてくる気配はない。
そこでぼんやりと海を眺めながら、心地良い一日を過ごした次第だ。この夏、海に行くという人は、地図を見て下調べすることも大切なのだが、可能ならその土地に明るい人と仲良くなろう。きっと誰も知らないような素敵なスポットを、教えてもらえるかもしれない。
写真=ロケットニュース24
▼ 足場はあまり良くないが、誰もいない。とても贅沢な気分を味わえる
▼ 水は澄み切って、底まで良く見える
▼ 足元には波に洗われた小さな貝殻が無数にある