日本時間12月2日午前4時から米航空宇宙局(NASA)の記者会見が行われた。その内容は事前にリークされた情報と同じ、カリフォルニア州モノ湖で発見された微生物の発見に関するものとなった。このモノ湖で発見された微生物「GFAJ-1」は生物が生存することが不可能なヒ素濃度が高いモノ湖でヒ素を代謝に使用して生存していることがわかった。
炭素、水素、窒素、酸素、リン、イオウ、の6つが細胞をつくるベーシックな要素であるとされてきたが、この微生物はリンのかわりにヒ素を直接DNAに取り込んでいる。リンはこの中でも特にエネルギー保有分子のメインとなる要素であり、地球上の生物にとって有毒であるヒ素は、このリンに構成がよく似ている。この研究チームはGFAJ-1をヒ素のみ、リンのみの両方の環境で生存させることに成功しており、どちらかの要素があれば生存できることがわかっている。この毒性の高いヒ素を使って生存をしている生物がいるという発見は生命の定義を覆す内容になるわけである。ただこの微生物が他の生命体と全くことなる生命の起源をもっているかなどはまだわからない。
今日まで生命の探索はこの地球と同じ6つの要素が存在できる状態という定義のもとに行われてきたが、この新たな発見で探索の範囲は大きく広がったといえる。
確かに宇宙人の発見というニュースを期待していた人たちには少々がっかりする内容であったかもしれないが、生物の教科書は書き換えられ、有機化学、医学、地球の進化の研究など多分野にとっても、とてつもない新しく大きな発見と言ってもよいだろう。