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【見てはいけない映画レビュー】キョンシーとアフリカ民族の感動物語『コイサンマン キョンシーアフリカに行く』

2010年11月13日

見ると絶対後悔する映画や、鑑賞時間の無駄としか思えない「Z級映画」を紹介する、見てはいけない映画レビュー。

今回ご紹介する映画は『コイサンマン キョンシー アフリカに行く』だ。キョンシーといえば、中国の有名な妖怪である。日本でも80年代から90年代にかけてキョンシーが登場する映画、『幽幻道士・霊幻道士シリーズ』が公開され、多くのチビッ子たちを怖がらせた。しかしそんな怖いはずのキョンシーが、この映画ではなんとアフリカに行き、正義のヒーローとなってしまう。

ストーリーは次の通り。ロンドンのオークションでなぜか競売に出されているキョンシーを、霊幻道士とキョンシーの子孫が買い取り、香港へ持ち帰ろうとする。しかし飛行機の事故により、なぜかアフリカに彼らとキョンシーがパラシュートで不時着。そこでアフリカ民族と出会い、悪い敵対部族と奴隷商人と戦うというもの。

この映画、一見完全にふざけているように見えるがキャスティングはかなり豪華。霊幻道士シリーズで主人公の道士を演じたラム・チェンインや、映画「ブッシュマン」(コイサンマン)シリーズでお馴染み、アフリカの大スター・ニカウさんが出演。なんでこんなふざけたシナリオにしたんだ……と悔やまれてならない。しかし見所は無駄に満載だ。

キョンシーが不良に絡まれたり、アフリカの巨大ゾンビと戦ったり、ゾウにジープをけん引させたり、キョンシーにニカウさんが乗って出陣したり、キョンシーを木に体当たりさせ果物を落としたり、コーラが空から降ってきて奴隷商人たちを倒したり……。この他にもたくさんの笑えるシーンがある。

その中でも一番のおすすめシーンは「巨大ゾンビVSキョンシー」だ。あまりにゾンビがでかすぎるため、なんとキョンシーはビビって戦おうとしない。しかし子供たちの励ましにより、勇敢に巨大ゾンビへ立ち向かうのだ! こんなキョンシー他では絶対に見れないだろう。

何だ面白い映画なんじゃないか! と思った人もいるだろう。確かにこの映画は面白い。しかし私は「あんなに怖かったキョンシーの思い出を返せ!」と、この映画を作った監督へ、Z級映画認定とともに声を大にして言いたい。

この映画を見終わった後の気持ちは、クラスのアイドルだった女の子が同窓会に来たら、とんでもないオバサンになっていた時の気持ちと同じなのだ。昔の古き良き思い出を一気に崩壊させてしまいたくない人は、できれば見ないことをお勧めする。

screenshot:amazon.co.jp

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