ソニーの家庭用ゲーム機「PlayStation3(PS3)」は、ゲームセンターにあるような高画質なゲームが家庭でも楽しめるゲーム機として登場した。リアルなレーシングゲームが遊べることからPS3を購入した人も多いだろう。そんなPS3は2010年4月22日のシステムソフトウェア バージョン 3.30 アップデートより、3D立体視ゲーム(3Dゲーム)に対応したが、肝心の3Dゲームが明らかにされていなかった。そんな3Dゲームに新たな展開があった。
ソニーが六本木ヒルズで開催中の人々の好奇心を刺激する共創イベント「dot park(ドット・パーク)」、3Dゲーム「グランツーリスモ5」が初披露された。「グランツーリスモ5」は、モデリング・物理シミュレーション・AIなどのレースゲームを構成する基本要素のレベルが高いので、レースゲームの中でも群を抜いてリアルなレーシングを楽しむことができるのだ。
「dot park」のイベント期間中は、六本木ヒルズ内の「hills cafe」は「dot 3D Cafe」と名前を変え、3Dテレビ「3D BRAVIA」によるドキュメンタリー・スポーツ・映画などの3D映像とともに、PlayStation3の3Dゲーム「グランツーリスモ5」を体験するスペースが用意されている。これまで謎のベールに包まれていた3Dゲームであるばかりか、リアリティで定評がある「グランツーリスモ5」ということで、さっそく体験してみた。
3Dゲーム「グランツーリスモ5」を一言でいえば、「まるで次元が違うゲーム」だ。正直な話、一言では言いあらわせないリアルな3Dを体験することが可能だ。3Dゲーム「グランツーリスモ5」は、3Dテレビ「3D BRAVIA」にレーシングシートとステアリング(ハンドルのコントローラ)を組み合わせた、まるでアーケードゲーム機のようなコックピットで遊ぶことができる。
3Dゲーム「グランツーリスモ5」で遊ぶためには、専用3Dグラスを必要とするので、最初はわずらわしいと思った。ところが、ひとたびゲームで遊んでしまうと、3Dグラスのことは忘れてしまい、仮想現実の世界に入り込んでしまうのだ。自動車教習所のドライブシミュレーターとは比べものにならないクオリティの高さを実感することができる。それもそのはず。実は、3D映像以外にもリアリティを出すための工夫が隠されていた。それは「フォースフィードバック」だ。
「フォースフィードバック」は、車の走行中の状態を反力や振動によって、ステアリングを通してドライバーに伝える機能であり、レーシングハンドルのコントローラに組み込まれている。路面状況やコーナー進入時のステアリングにかかる反力をプレイヤーにフィードバックしてくれる。「フォースフィードバック」自体は新しい技術ではないが、3D映像と組み合わせることで、レーシングカーを運転しているという感覚が倍増するのだ。
「百聞は一見に如かず」という言葉どおり、100回聞くより、1回見るほうが良くわかる。3Dゲームに興味がある人は、一度、自分で体験してみては如何だろうか。