世の中には様々な病気があり、およそ想像も及ばないものも少なくない。『頭内爆発音症候群』もあまり知られていないものの1つだ。実は記者もかねてから眠りに落ちる時に、激しい炸裂音を聞いており、なかなか眠りに就くことが出来なかった。睡眠分野に詳しい内科の友人に相談したところ、『頭内爆発音症候群』ではないかと教わり、その名前を知った。どうやら自分だけに起きていることではないらしい。あなたは大丈夫だろうか?快い眠りを得られているだろうか?
『頭内爆発音症候群』は非常に稀な症候群で、医学文献にはほとんど記載がない。この症候群は1988年、イギリスの医師によって初めて報告された比較的新しいものだ。以後、詳しい報告は存在していない。
音は眠りに落ちる1~2時間前に起きる。通常聞かれる音は、爆発音・衝突音・大声・悲鳴・炸裂音などであるという。痛みは全く伴わない。人によっては音と共に、眩しい閃光を見る場合もある。『頭内爆発音症候群』に苦しむ人は、睡眠を妨害されるだけでなく、激しい不安や恐怖に見舞われる場合がある。ただ、命に問題は全くなく、時が経てば改善されるために、報告が乏しいと思われる。
記者の場合は、はじめに閃光を見る。まぶたを閉じているのに繰り返し閃光を見た後で、断続的に炸裂音が聞こえてくる。ガラスを叩き割ったような音が、何度も何度も聞こえてくる。その間はもちろん眠れないのだが、半睡のような状態で起きる気持ちにもなれないのだ。半睡なので時間の感覚は分からないが、1時間くらい続いたと思ったら寝ている。熟睡感の妨げにはなっているが、寝不足と感じたことはない。
『頭内爆発音症候群』の詳しいメカニズムは解明されていない。一説によると、『視覚の眠り』と『聴覚の眠り』のタイミングに関係があると言われている。また、過剰なストレス状態が続くと発生するとも考えられている。いずれにしても、原因については解明されていない。坑うつ薬の塩酸クロミプラミンが即座に症状を軽減するという報告もある。
眠りの著しい妨げになる場合は、最寄の睡眠外来のある病院に相談されることをオススメする。
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