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にわかでも問題なし! レンタサイクルで走るサイクリングの聖地「しまなみ海道」が最高だった

約1時間前

走ると気持ちのいい道は日本中にあるけれど、やはりサイクリングの聖地といえば「しまなみ海道」ではないだろうか。

世界中から歴戦のサイクリストが集まるだけでなく、「レンタサイクル制度の充実」「わかりやすいルート」「サイクリスト向け施設」など、初心者が無理なく楽しめる仕掛けがたくさん。

現地でレンタサイクルを借りて、往復2時間ほどの「お試しサイクリング」に挑戦してみた。予約なし、体力なし、経験なしでもまったく問題ない、旅のプランに気軽にチョイ足しできるサイクリングの世界がそこにはあった!


・「しまなみレンタサイクル」で自転車を借りる

「しまなみ海道サイクリングロード」とは、広島県尾道市から愛媛県今治市までの島々を結ぶ全長約70kmのコースだ。完走するのが人気だけれど、どこか1か所を拠点としたショートトリップも十分に可能。そして何より、レンタサイクルの仕組みが完璧に整っている。

たとえば一般社団法人しまなみジャパンが運営する「しまなみレンタサイクル」は道中に10か所もの貸出・返却ターミナルがあり、一部車種は「乗り捨て」も可能。時間や体力に応じて柔軟なスケジュールが組める。


筆者は四国側の「今治糸山レンタサイクル」で電動アシスト自転車(税込4000円/日)を借りた。ここまでは車で来たが、無料駐車場完備。「駐車料金を気にして帰りを急ぐ」なんて必要がなく、これだけでも旅行者目線なことがわかる。

自転車は予約分のほか、当日分の用意もある。筆者は平日10時頃、予約なしで電動アシスト自転車を借りられた。電動にこだわらなければ、まだまだ相当な在庫があるのも目視できた。ただし連休などには先着順で満車になっていくとのこと。


自転車を借りた人には、無料でヘルメットも貸出。その場で身長に合わせてサドルを調整してくれ、道順などの簡単な説明を受けて出発だ。


・人類の英知を感じる「来島海峡大橋」

今治出発は、①10分もかからず雄大な来島(くるしま)海峡大橋に到達できること、②すぐに多島美の絶景を見られること、③観光拠点の大島まで適度な距離であること、などから入門編にぴったりとされている。いわば前菜をすっ飛ばして、すぐに「メインディッシュどーん!」という具合だ。


橋は海面から50mも高い位置にある。らせん状のスロープをぐるぐる上って橋の高さまで到達する(写真は帰路)。無理のない傾斜だけれど、体力ゼロの筆者には電動アシストが助かった。

普段は車中心の田舎暮らしのため、「慣れない自転車で転んだらどうしよう」とも思ったが、心配は無用だった。とても安定感のある自転車で、すぐに身体が感覚を思い出す。


橋の上にのぼれば、あとは真っっっっっ直ぐ進むだけだ! 世界初の三連吊橋(さんれんつりばし)の存在感に圧倒されつつペダルをこぐ。「西瀬戸自動車道」の一部だが、自転車・歩行者は通行無料。すぐ隣を車がびゅんびゅん走っていくものの、しっかりガードレールがあるから怖くない。


この日は薄曇りだった。晴れていたらさらに絶景だったろうと思うが、結果的には「運がよかった」と言いたい。日射しをさえぎるものがない海上、雲越しの紫外線でも焼けつくような暑さを感じる。走っているときは風を感じるが、自転車を停めた途端にブワッと汗が……! 飲料水は必携だ。


しかし眼下は絶っ景っ! 穏やかに凪いだ海と、重なり合うように浮かぶ大小の島々。近くの島は家並みがわかるくらいくっきりと見え、遠くの島はまるで水墨画のようにぼんやりとかすむ。右を見ても左を見ても、こんな景色が続くのだからたまらない。


ちょっとした段差はあるけれども、基本的に道はフラットで、まったくストレスを感じず走れる。電動アシスト自転車なら平坦な道ではほぼ筋力を使わない。普段ほとんど身体を動かさない運動音痴の筆者でも、羽根が生えたようにどこまでも走って行けそうだ。


「ちょっとサドルの高さが合わないな……」と思って調整していたとき。見ず知らずのサイクリストが「大丈夫ですか?」と停まってくれた。もし筆者の手に負えない故障だったら、おそらく一緒に修理をしてくれたと思う。どこからともなく湧いてくる仲間意識や一体感……! ふとした交流に胸が温かくなる。


ルート上には、停車して休憩できるスペースもあった。筆者が走ろうとしているルートは、来島海峡大橋4kmを含めたおよそ6kmの区間で、健康な大人なら休憩もなくラクに走破できる距離だ。だけど、一気に通り過ぎてしまうのはもったいない。どこまでも抜ける視界が爽快だし、海風は気持ちいい。すぐ隣を高速道路が走っているのも非日常感がある。


こんな巨大建造物が海の上を通っていると思うと、「すごいものを造ったな、ニンゲン……」と妙な感慨にふけってしまう。しかもそこにサイクリストを呼び込もうという発想が革新的だ。道路上のペイントや、各所にある標識でサイクリングロードがしっかり示されており、地図を見る必要もない。初めてでも迷うことなく、あれよあれよという間にここまで来ることができた。


・道の駅「よしうみいきいき館」で折り返し

「今治糸山レンタサイクル」から写真を撮りながらのんびり40分も走れば、大島の道の駅「よしうみいきいき館」に到着だ。駐輪場には同じレンタサイクルが並び、同士でいっぱい。


「よしうみいきいき館」はしまなみ観光の拠点となるスポットで、フードコートのほか海鮮七輪バーベキューなどもある。昼休憩にぴったりだし、お試しサイクリングの折り返し地点としても最適だ。


まだ興奮さめやらず「ちょっと走り足りないなぁ」とも思ったけれど、次の橋までは陸地である大島内を移動することになり、アップダウンもある。推奨レベル2くらいになるので、レベル1の筆者はやめておいた。その代わり、すぐ近くの港から出る「しまなみ来島海峡遊覧船」などを楽しんだ。


余談だが遊覧船から見上げる橋はさらに壮大で、再び「すごいものを造ったな、ニンゲン……」と口にせずにはいられなかった。

同じ距離を戻ってきて、「今治糸山レンタサイクル」に自転車を返して終了。フル充電で出発したバッテリーは、ほとんど減っていなかった。


・聖地が聖地である理由

絶景という財産があるのはもちろんだが、そのほかにも「しまなみ海道」にはビギナーフレンドリーな工夫がたくさんあった。

事前に予約ができていないことが心配だったのだけれど、気抜けするほど簡単にレンタサイクルを借りられた。サイクリングロードがしっかり整備され、道に迷うこともないし、倒木や落ち葉で危ないなんてこともない。

年齢や国籍を問わず、たくさんのサイクリストが行き来する道中は、どこか温かさを感じる。このほか四国各地にはサイクリスト向け施設「サイクルオアシス」や「サイクルピット」が点在するという。

自分の自転車を持ち込むベテラン勢はもちろん、「ちょっとだけ体験してみたい」という初心者をも拒まない。「聖地」の名にふさわしい、ふところの深さに包まれた1日だった。


参考リンク:しまなみジャパン
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

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