ロケットニュース24

【検証】イマーシブ・フォート閉館から半年、お台場・青海エリアは本当に「オワコン」なのか? 現地をぐるっと歩いてたしかめた

約1時間前

最近、東京・お台場が「オワコン」とか「廃墟」とか言われている。たしかに近頃あまり話題を聞くことがなくなった。2021年末から2022年にかけてヴィーナスフォート・パレットタウンなどが営業を終え、大観覧車も解体され、後にイマーシブ・フォート東京が営業開始したものの、わずか2年で閉館

お台場というよりも青海エリアに見どころがなくなったことから「オワコン化した」と言われているようだ。実際はどうなのか? 建物が廃墟と化していることは容易に想像できるが、人はいないのか?

見に行ってみたところ、めちゃくちゃ人がいるじゃないか! ……ただし、その範囲は非常に限定的で、日によって人の多さはかなり流動的であることがわかった。

・イマーシブ・フォート東京閉館から半年

MEGA WEBは2021年末、Zepp Tokyoは2022年1月、ヴィーナスフォートは同年3月に営業を終了。それから約半年でパレットタウンも営業を終え、この界隈のシンボルだった大観覧車も取り壊された


これらが閉館した2年後の2024年3月、体験型施設の「イマーシブ・フォート東京」が開業したものの、それから2年後の今年2月28日に閉館。以後、施設の今後について具体的な計画は公表されていないようだ。

最近になってSNSでこの周辺は「終わっている」といった類の投稿をよく目にする。たしかに先に挙げた事情を踏まえると、大型施設の撤退は、地域の衰退を強く印象づける



・終わっているのか?

さて実際に人は少なくなり、周辺は閑散としているのだろうか? 新宿駅からりんかい線に乗って、東京テレポート駅で降りてみると……


めっちゃ人いる~~~!


全然終わってない気がするんだけど。とりあえず地上に出てみよう。この人の流れはおそらくフジテレビ方面、ダイバーシティお台場やアクアシティお台場、ジョイポリスに行く人の流れだろう。


用途不明のまま、もぬけの殻となったイマーシブ・フォートが少し哀れに見える。遠目でも建物に精気がないことがわかる。施設として生きていないよな。そっちの方は人がいないのかもな……


と思ったら、めっちゃいる~~~!!


こっちは何もないんじゃないの? あ、そういえば去年の10月にメガウェブ跡に「TOYOTA ARENA TOKYO」が開業したんだった。おそらくこの人だかりは、そちらに向かう列なのかも。それにしても昼から並ぶって、よほど名のあるアーティストの公演ってことかな?


立て看板を見ると「ナンバーアイ」の昼公演があるとのこと。それに先立って物販が行われているらしい。だからこんなに人がいたんだなあ。


アリーナはすでに開業していた。これがあるだけでもオワコンではない気がするけどな。とはいえ、毎日イベントがあるわけではないし、アーティストによって集客力は変わってくるだろうから、いつでも今日ほど人がいるわけではないかも。


シティサーキット内の物販はかなり長い列ができているようだ。


まだ公演開始まで2時間近くあるのに、ゆりかもめ青海駅からも続々と人が出てくる。とりあえずにぎやかで何より。


それでも、使い道の決まっていない巨大施設が残されている以上、どうしても廃墟のような印象は拭えない。


アリーナやダイバーシティの範囲から少し外れると、広大な駐車場に出くわす。たしか以前のフジテレビイベントは、このくらい広い駐車場にステージを作って盛大にやってた記憶があるんだけどなあ。


向こうに見えるダイバーシティのユニコーンガンダムも、8月31日に展示が終了する。そうすると、またひとつシンボルを失ってしまうんだよなあ。


繁華な地域を少し外れると、まったく人がいない。暑さのせいもあるけど、こんな広い場所で視界から人が消えると、結構不安になる。まるで自分がリミナルスペース(不可解な場所)に引き込まれたんじゃないか? と疑いたくなってしまう。


ここにも広大な駐車場。何か催しでもない限り、日頃から利用する人もいないんだろう。


青海周辺もさることながら「東京国際クルーズターミナル駅」(旧:船の科学館駅)周辺も寂しいと聞いていたので、そちらまで歩いて来てみた。駅前にもかかわらず、だだっ広い空地。ここは整地すらされていない。


あの向こうに見えるのがターミナルだ。かなりデカそうなんだけど、お土産とか売ってないかな? 行ってみよう。


さすが外国籍の大型クルーズ客船が寄航する港だけあって、空港を思わせる立派な施設。施設には無料で入ることができるが、入港がある日は入場が制限されることもあるそうだ。


中に入ってみると、何もない! めちゃくちゃキレイで設備が整っているのに、売店は1つもない。土産もゼロ。しかしながら、展望デッキから品川方面を臨むことができる。


誰もいないだろうと思ったら、デカいカメラを抱えた人たちが、遠くを航行する船舶を撮影していた。好きな人にとっては絶好の撮影スポットだね。デッキに掲げられた「TOKYO」の看板がとてつもなくデカくてビビりました。


そこから少し歩いたところで、停泊している南極観測船「宗谷」が目に入った。ここは以前、「船の科学館」があった場所だが、建物の老朽化で2024年から本館の解体工事が始まり、現在は主要展示として宗谷だけが残った格好だ。


宗谷といえば『南極物語』。第1次南極観測隊と共に南極にわたった樺太犬の「タロ」と「ジロ」はあまりにも有名だ。この船に乗って行ったんだなあ……。


さらに南の方角に進むと「東京湾岸署」がある。実はこの署は2008年開設で、それまでこの界隈に警察署はなかったそうだ。つまり、『踊る大捜査線』の放映時(1997年)に湾岸署というのは存在していなかった

ドラマが先で警察署が後から出来たことを、知らない人は多いはず。


そういえば、その直後にハトが1列になってフェンスに並んでいるのを目撃した。1羽として、私が真横を歩いていることに驚く様子がなかったので、逆に私が驚いてしまった。ちょっと怖かったな……。


テレコムセンター駅周辺は、歩いている人がさらに少ない。


近未来を感じさせる建物が、この辺には多いけど、実際は築年数30年超えの古いものが多い。1990年代に感じた未来は、もうすでに過去のこと。これも平成レトロというべきか……。


ちょうど昼時だったので、目についた「青海食堂」に入った。ここは食券を購入して、セルフで料理を受け取る形式のお店だ。


お台場周辺に行けば、オシャレなカフェやレストランが数多く存在する。少し離れると、この手の古き良き食堂に出くわす。


そう遠くない距離で、手軽に食べられる料理の幅が大きく違う。それもまた、お台場周辺ならではの特徴なのかもしれない。


そうして青海地域をぐるっと回って、東京テレポート駅に戻ってきた。先ほどより、駅周辺は人が増えている。公演開始時間が迫っているからだろうな。


この界隈を散策した結果、手つかずのイマーシブ・フォートが地域の印象を暗くしているのはたしかだと感じた。だが、イベントに左右されるとはいえ、人はいる。もともと街を歩く人はそう多くなく、急に人がいなくなったわけでもない。

したがって「終わっている」というのは1つの意見かもしれないが、それがこの地域のすべてではないように思う。さすがにバブル期と比べれば「終わっている」ことになるだろうけど、それはお台場だけのことではないはず。

イマーシブ・フォート跡地の有効な使い道が見出されれば、再び以前のようなにぎやかな地域になるのではないだろうか。


執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼営業終了直前のパレットタウン大観覧車の映像

モバイルバージョンを終了