
菊池さ~ん! 桜井さ~ん! 蘭ちゃ~ん!
突然だが、あなたの名前には花にまつわる文字が入っているだろうか。
というのも、浅草花やしきが8月7日の「花やしきの日」に、名前に「花」がつく人は入園無料というキャンペーンを実施するらしい。
実は私(夏野)の本名にも花に関する文字が入っているので対象だ。しかし残念ながら当日は都合が合わず、今回は見送り。
とはいえ、このニュースを見た瞬間、私の頭に真っ先によみがえったのは、数年前に台湾で社会現象になった「スシロー改名騒動」である。
・学校では教えてくれない乱
2021年、台湾スシローが「名前に『鮭(サーモン)』の字が入っている人は、グループ6人まで無料」というキャンペーンを実施した。
なんて太っ腹! 当時、台湾に住んでいた私は、友人たちと「便乗したいけど、名前に鮭がつく人は、なかなかいないよね~」と話していた。
だが、このお得すぎる無料キャンペーンにこう考えた人が続出したのである。
だったら名前を変えればいいじゃないか!
実際、「鮭魚王子(サーモン王子)」「鮭魚飯(サーモン丼)」など、サーモン尽くしの名前に改名した人が次々と登場。最終的には331人が本当に改名したというから驚きだ。
しかも中には、ホテル名や高級食材まで並べた、とんでもなく長い名前に変更した人まで現れた。もはや、お寿司より自己紹介のほうがお腹いっぱいである……。
この改名騒動は、当時「サーモンの乱」とも呼ばれており、ニュースやSNSでも話題となっていた。
応仁の乱、島原の乱、そしてサーモンの乱
歴史の教科書に載ることはないが、私にとっては、間違いなく記憶に残る “乱” だった。
・無料の代償が大きかった
確かに無料でスシローが食べられるのは魅力的だが、そこまでするのかと当時は驚いた。
とはいえ、台湾では風水や運気を理由に改名する人も珍しくなく、法律上も一定の条件のもとで生涯3回まで改名できる制度がある。
しかも、日本よりも手続きがとっても簡単で費用もワンコイン以下でできてしまうのだ。
私の周りにも、実際に改名したことがある人が何人かいた。(スシロー以外の理由でね)
親からもらった名前を一生大切にする文化が根付く日本と、人生の節目や気持ちの切り替えとして名前を変えることもある台湾。
どちらが良いとは一概に言えないが、「もう人生をやり直したい」と思ったとき、名前を変えるという選択肢が誰かの支えになることもあるのかもしれない。
……ただし、勢いだけで改名するのは考えものだ。
ちなみに当時、キャンペーンのために名前を「鮭魚(サーモン)」へ改名した男性が、後日「そろそろ元の名前に戻そう」と手続きをしようとしたところ、幼い頃に両親がすでに2回改名していたことが判明。
今回の改名が人生3回目となってしまい、もう「鮭魚」のまま名前を変えられなくなったというニュースまで飛び込んできた。
無料の寿司の代償としては、なかなか大きすぎる結末である。
・平和な花でありますように
もちろん、今回の花やしきのキャンペーンで戸籍を変更する人は、おそらくいないだろう。
参加する人は、名前を確認できる身分証明書を忘れずに。なお、「花にまつわる名前」かどうかは花やしき側の基準で判断されるとのことなので、「自分も対象かな?」という人は事前に確認しておくと安心だ。
どうか “サーモンの乱” のような事態にはならず、平和な花やしきの日になることを願っている。
参考リンク:PRTIMES
執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews24.