
許斐剛先生による漫画『新テニスの王子様』が、2026年8月4日発売の「ジャンプSQ.(スクエア)9月号」をもって完結を迎えた。前作『テニスの王子様』の連載開始から数えると、実に27年もの歴史に幕を下ろしたことになる。
同号には前代未聞となる「許斐剛 feat.テニプリファミリア」による新曲CD『ラケットに想い出詰め込んで』が付録としてつくこともあり、発売前から重版が決定。これまで作品を推し続けてきたファンを中心に、大きな盛り上がりを見せている。
熱心なファンというほどではないが、記者も27年間シリーズを見守ってきたひとりだ。最終話を読んで感じたことを、この場を借りてお届けしたい。テニプリって、いいぞ!
・唯一無二の作品
テニスの王子様シリーズほど、推し甲斐のある作品はないと思っている。というのも1999年に週刊少年ジャンプにて漫画『テニスの王子様(通称 テニプリ)』が連載開始、一旦完結するもすぐさま続編がスタートした。
多方面にわたるメディア展開が魅力のひとつで、過剰なまでのキャラソンにアニメ、映画、実写、ミュージカルなど……365日いつでも追いかけていられるコンテンツの豊富さを誇る。しかもそのどれもが大成功を収めているのだから、さすがとしか言いようがない。
ひとえに作者の許斐剛先生の「読者を楽しませよう」という思いが人の百倍ほど強いことが、そうさせるのではないかと勝手に思っている。というのも、許斐先生はインタビューやSNSで、たびたび「正直自分の為に漫画を描いた事は一度もない」といった旨の発言をしてらっしゃる。
読者がどうすれば楽しめるかを、度が過ぎるほど真剣に考えて毎度、確実に叶えてくださるのだ。冒頭にあげた付録「許斐剛 feat.テニプリファミリア」による新曲CD『ラケットに想い出詰め込んで』も、まさにその結晶と言える。
作品にあまり触れていない人にはピンとこないかもしれないが、このCDは作者自身を筆頭に、アニメの声優陣やテニミュ(作品を舞台化したミュージカル)のキャストなど、総勢143名が参加した前代未聞の楽曲なのだ。ファンでさえ「一体何をやっているの」と思わず、ツッコミたくなるようなスケール感である。
常識にとらわれず、誰もやらないようなワクワクを全力で実現してしまう。それこそが、ハッピーメディアクリエイター許斐剛作品の真骨頂。こんな体験は、なかなかほかでは味わえない。まさに唯一無二のエンターテイメントなのだ。
・これからを感じさせるラスト
そうしたメディア展開のすごさはもちろんのこと、言わずもがな原点の漫画自体がはちゃめちゃに面白い。ストーリーは当然ながら、キャラクターひとりひとりの魅力があふれんばかり。いずれのキャラクターたちも、連載当初からは見違えるほどの成長っぷりで、もはや親のような目線で見守ってしまう自分がいる。
最終話では主人公・越前リョーマをはじめ、この作品が27年間積み上げてきた軌跡が惜しみなく表現されていた。嬉しいような寂しいような気持ちがジワリと湧いてくる。そしてしばらくテニプリから離れていたという人でも、一瞬であの頃の熱量を思い出せるようなラストになっている点も実に見事だった。
物語はただ終わりを迎えたわけではなく、これからを感じさせる余白と熱量が残されていた。許斐先生が巻末で「テニプリと愛しのキャラたちを27年間応援ありがとうございました。少しだけゆっくりさせてくださいね…(ニヤリ)」とコメントされているのを見ると、この続きがあるのかもしれないと期待してしまう。というか、あってくれ……!
もし続きがあるとするならば、今から読み返しておけば、次の機会に間に合う。久しぶりの人も、はじめての人も、新テニが最終回を迎えた今こそがチャンスだ。テニプリは、まだまだ(これから)だね!!
参考リンク:ジャンプスクエア、PR TIMES
執筆:K.Masami
Photo:(C)許斐剛/集英社