
サントリー「クラフトボス ブラック」が話題だ。新しくリニューアルされたものが3月17日から販売されているが、旧版が「コーヒー」だったのに対し、新版は「コーヒー飲料」になったせいだ。
現在(2026年3月19日時点)はコンビニやドラッグストアで新旧の切り替え中だと思われる。実際に私も近場のコンビニやスーパー、ドラッグストアなど複数の店舗で「コーヒー」時代のものと「コーヒー飲料」になった新型が、同じ商品として同じ値段で売られているのを確認した。
これは味や香りの変化が気になるところ。実際に比較してみることに。
・サイレント値上げ
SNSの反響を見るに、「クラフトボス ブラック」のリニューアルは、ネット民からはおおむね「サイレント値上げ」だとみなされているようだ。
理由は「コーヒー」と「コーヒー飲料」の違いにある。サントリー公式HPに、それぞれの違いを分かりやすく説明したページが存在する。
「コーヒー」は100g中にコーヒー生豆換算で5g以上の、「コーヒー飲料」は2.5g以上5g未満のコーヒー豆から抽出・溶出したコーヒー分が含まれると決まっているのだ。
つまり今回のカテゴリーの変化は、旧版と新版で使用されているコーヒー生豆の量が異なることを意味し、新版で使用される生豆の量が減った可能性を示している。
一般的な感性に基づく消費者側の心情を考えれば、「本物のコーヒー豆の使用量が多いほうが、より良い」というような見方は自然だろう。
今回のカテゴリーの変化に対し価格据え置きが「サイレント値上げ」とみなされても、私個人の所感としては仕方がないと感じる。
・比較
今回はどのように味が変化したか、あるいは変わっていないのかが重要だと思われる。外見、香り、味の順で比較していこう。
ボトルの形状に変化は見出せなかったが、ラッピングのデザインは少し変わったようだ。特におじさんのイラストの色や、「BLACK」の字体はすぐにわかる。消費者にとって最も重要な変化は、もちろん「コーヒー」と「コーヒー飲料」の表記だ。
色は、一般的な部屋の明かりの下では、全く同じに見える。ボトルの背後から強力な光を当ててみたが、それでも光の透過率や色に違いがあるようには思えなかった。
成分も表記上は同じようだ。どちらも「コーヒー(コーヒー豆(ブラジル、コロンビア、その他))/香料」とある。
香りはどうだろう。おや、これは違いが分かるように思う。
ボトルに入ったままの状態で、旧版は酸味と苦みが半々の香りが、少し離れていてもわかる程度には香る。対して新版からはビター感が前に出た香りが、かすかに漂う。
両者、香りの方向性は結構はっきり異なる。そしてボトルの口から感じられる香りの強さは、旧版が勝っていると感じた。
公式HPでもいろいろと変化したように受け取れる記述が見られるので、変わっていること自体に問題は無いはずだ。
続いては味だ。旧版は、いつもの味。ライトで舌触りはするっと。味の面では酸味そこそこ、苦みもそこそこ。ともに同じくらいの強さで主張してくるが、どちらもそんなに強くない。あっさりテイスト。
今回は飲み比べということで注意深く味に意識を向けたが、平時であれば味のインパクトで集中力を持っていかれるようなことなく、あらゆるシーンで水のように飲める、飲みやすいコーヒーだったと思う。
新版はどうだろう。口に含むと、まず苦みが前に出ているように感じられた。しかし苦みが増したのではなく、旧版よりも酸味が弱まった結果、相対的に苦みが前に出たのではないかと私は考える。
総合的な味の主張は旧版より低下したように感じた。言い換えれば飲みやすくなった。また、液体としての舌触りが固くなった気がする。しかし飲みやすくあっさりテイストという方向性は変わらない。
それでは、まとめに入ろう。個体差が無い前提での私の所感を述べると、香りは旧版の方が強いので、香りの出力重視の方は、新版に物足りなさを感じるかもしれない。
味の面では、コーヒーの酸味が好きな人は旧版を好ましく感じるが、苦みが好きな人は新版の方が好きなのではなかろうか。
両者ともにコクや厚みのようなものが武器ではないタイプゆえ、旧版の時点で「シャバシャバしている」とか「水っぽい」というような感想を抱いていた人は、相変わらず新版も舌に合わないと思う。
新旧両者、交互に飲めば、だれでも区別できそうな程度に違いがあるのが面白い。私の主観では、ペプシとコカ・コーラよりもはっきり違う。
どちらがいいのかと問われれば、好みの問題だろう。しかしこういうのには心情の影響も無視できない。カテゴリーの変化に伴う「コーヒーの生豆の使用量が減ったイメージ」が、有利に働くことは無いのではないか。
参考リンク:クラフトボス ブラック 500mlペット
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼複数の店で、ごちゃまぜで売られていた。これは一番安かった店舗。