ガチ中華のランチ食べ放題を回る連載『ガチ中華ランチ紀行』。料理も店員さんも客も360度中華系で囲まれる状況にちょっとした旅行のような非日常感を覚えるのも醍醐味の1つだ。「紀行」と題しているのはそのためである。

そんなリトルジャーニーにもってこいなのがチャイナタウン化している池袋西口北側。この辺りをブラブラするのも12回目にして異彩を放つ店に出くわした。店名が中国の漢字で微妙に読めないところはガチ中華って感じなんだけど、ルビがアラビア語なのである。どっちも読めん……よし、入ってみるか。

・西一番街の外にも

ランチビュッフェをやっているガチ中華が集まっているのは池袋西一番街だが、この店があるのは西一番街と東武東上線線路の間のエリア。池袋駅西口(北)から文化通りを進み、右側2つ目の路地を入ると、ガチ中華が集まったビルがある。店はその日精ビルの2階に入っているようだ。

ビルの外側の2階部分も看板と同じ水色に染められているためすぐ分かった。遠くからでも一発で分かる思い切った配色と染めっぷりと言えよう。っていうか、ビル入口の2階に上る階段からすでに水色の世界観が始まっている。何の店か分からないレベルの思い切り方だな。

・謎の掲示

階段を上ると、何かの説明が長々と掲示されているんだけど、これも完全中国語でなんて書いてあるのか不明。店名だけにはカタカナが振られているため、店の名前が『アリヤ』であることだけは分かった。アリヤは我々に何を伝えようとしているのか? 気になるのでこの中国語の説明文をGoogleレンズで翻訳してみたところ……

どうやら「回族料理」の専門店のようだ。説明文によると、中国のハラール料理で、イスラムのならわしと中国の料理スタイルが組み合わされたものなんだそうな。確かに「回族」をGoogleで検索すると、中国最大のムスリム民族集団という説明が表示される。

・最安メニューに感じる熱さ

民族料理としてハラール中華が息づいているところに中国の広さを感じた。ガチ中華を巡らなければ一生出会わなかったかもしれない。そんなわけで入店してみると、ランチ定食は税込1155円から税込1265円までであった。

最安のメニューには麻婆豆腐とかエビチャーハンなどの見慣れたメニューもあるけど、せっかくだからマーラー羊背骨鍋定食を注文してみた。最安メニューにマーラー羊背骨鍋という特徴の塊みたいなメニューがラインナップされているのは熱いのではないだろうか。

・ビュッフェの質が高い

ランチのルールは、1時間利用でランチメニュー1品を注文したらビュッフェがついてくるという副菜食べ放題形式。ただし、入店した瞬間に分かったのだが……

ビュッフェのレベルが副菜ではない。鶏の唐揚げ、炒飯、麻婆豆腐とメインメニュー級が揃っているばかりか、デザートも杏仁豆腐だけじゃなくフルーツポンチとかある。さらには、チャイまでラインナップされていた。食後も充実の内容である。

もちろん、白米、蒸しパンなど炭水化物系もバリエーションがあり、ザ・中華副菜な和え物とかもあってビュッフェのバランスが非常に良い。ビュッフェだけで普通に満足できそうな内容である。

・池袋で感じる中国の広さ

食べてみての感想としては、マーラー羊背骨鍋はかなり辛めだけど、舌の痺れは池袋中華街のガチシビ辛店と比べるとそこまで高くないと言えるだろう。羊の旨みが染み出した止まらない系のピリ辛なので、甘めの蒸しパンとの相性が良かった。

また、チャーハンもパラパラしていて中華を感じる。とは言え、チャーハンにも麻婆豆腐にも豚肉は入っていないので確かにハラール。豚肉の入ってない麻婆豆腐はそれはそれで別の趣がある。豆腐の風味が前面に出て豆腐がウマくなるのだ。

実は麻婆豆腐の豆腐のウマさについては、池袋中華街のウイグル料理食べ放題店『大新疆』でも感じていたんだけど、単に豆腐が良い豆腐なだけかと思っていた。でも、同質のウマさ2店目となれば豚なしの効果なのかもしれない。

そんなわけで、ハラール中華独自の良さが確立されているところに料理文化が息づいてきた歴史を見たのであった。ひと言に「ガチ中華」と言っても色々ある。まさか池袋でこんなことを感じると思わなかったけど、中国ってホント広いなあ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 アリヤ清真美食 池袋店
住所 東京都豊島区西池袋1-43-3 日精ビル2F
営業時間 11:00~23:00(ランチ11:00~14:00平日限定)
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼デザートにフルーツポンチがラインナップされているのが良い

▼チャーハンはパラパラ

▼ビュッフェだけで十分なメイン度の高さ

▼チャイで食後もちょっと優雅