
中国外務省による、日本への渡航自粛呼びかけが発表されてから、早くも2カ月。
ロケットニュース24でも京都や奈良、浅草など、各地の観光地で「実際どうなっているのか」を現地から伝えてきた。
今回はその流れで、日本有数の観光地・宮島を訪れた。中国からの渡航自粛の影響はどうなのか。
その様子を確かめるつもりで向かったのだが、寒波のなか、島内を歩くうちに、観光客の国籍だけでなく、時間帯によってまったく顔が変わる宮島にすっかり魅了された。
初めての宮島は、私にとってかなり居心地がよかった。
・びっくりするほど空いてる
前日は、フェリー乗り場に一番近いホテルに宿泊。準備は万端である。
翌朝8時ちょい前のフェリーに乗り、いざ宮島へ向かう。
船内はかなり空いていて、一番前の席に座ることができた。
海の向こうに、朝日とともに見える宮島がきれい。
ただし、まぶしい
すごく、まぶしい
10分ほどの船旅の間、周囲の会話に耳を傾けてみたが、日本語しか聞こえてこなかった。
宮島に到着すると、まず感じたのは風の強さと寒さ。(フェリー乗り場でも思ったが)
ちょうど寒波が来ていたタイミングだったので、観光客も自粛したのか、まだ朝だからなのか、人がすごく少ない。
そして、まだ開いていない店も多い。ときどき見かける観光客は欧米系が中心で、中国語はほとんど聞こえない。
一度だけ中国語が聞こえてきたが、台湾在住経験のある身としては、「これは台湾の中国語だな」とすぐわかるイントネーションだった。
それにしても寒い。とにかく寒い。
でも、せっかく干潮のタイミングだったので、まずは厳島神社の大鳥居のふもと付近まで行ってみた。
初めて目にする厳島神社、そして大鳥居は、想像以上の存在感だった。
水に浸かった大鳥居の姿のほうが、見応えはあったかもしれないし、「午後に訪れたほうがよかったかな」と思いつつも、干潮時にしか見られないふもとまで歩けたのは、貴重な体験だと噛みしめる。
・鹿に導かれて、純喫茶へ
このままでは人が少なすぎて海外からの観光客の様子があまりわからないなと思いながら、島内をぐるぐるしていると、鹿と遭遇。
なんとなくついていくと、あるお店の前でストップ。
営業開始前のいい香りに、完全にロックオンされている様子だ。
その隣で、すでに営業している純喫茶を見つけ、これも鹿の案内かなと思い、入店してみた。雪も降ってきたので、ここで店の方と1時間ほどおしゃべりすることに。
この日は3連休の中日。本来ならもっと混雑しているそうだが、今回は寒波の影響で、観光客がかなり少ないという。「普段は通りがスムーズに進めないくらいですよ」とのこと。
海外からの観光客も非常に多く、特に欧米系が目立つという。これは体感とも一致していた。中国からの観光客について聞いてみると、「最近はほとんど見かけない」との返答。
ただし、その分ほかの国・地域からの観光客が増えていて、全体の来島者数としては減っていない印象だという。むしろ「今日この状況で中国からの団体が来ていたら、さすがに多すぎるかも」という話も出た。
そして、2024年、2025年と来島者数が更新されていることを、現場の感覚としても感じているらしい。そのうえで比較的空いているのは、1〜2月(正月を除く)。
つまり、このあと晴れてさえくれれば、今日は相当な穴場の日だったようだ。
・一気に人が増える
おしゃべりしている間に、外は本格的な雪。それでもせっかくなので、再び島内を散策する。
9時半ごろから、徐々にお店がオープンし、さっきよりは人が増えたが、歩くのはまったく苦にならない。
ときどき中東系の人や、韓国語も聞こえてくる。でもやっぱり中国語は聞こえてこない。
「案内所的な場所なら外国人観光客が多いかも」と立ち寄ってみたが、日本人が多い。みんな、あまりの寒さで休憩している様子だった。私も少し休憩してから、再び外へ。
すると……、晴れてきてる。
雪もほぼ止み、人も一気に増えているような気がする。さらに時間が経つにつれ、島内の雰囲気は激変。
お店によっては行列ができ、朝とはまったく違う表情になる。そして、やはり目立つのは欧米系の観光客。
それでも全体としては、日本人の割合が多い印象だ。「オフシーズンで、しかも天気が悪い日でこれなら、オンシーズンの宮島は一体どうなっているんだ……」そう思わずにはいられないくらいに人が増えてきた。
・工場見学マニアの楽園でもある
散策を続けているうちに気づいたのだが、宮島にはもみじ饅頭の店がとにかく多い。
しかも多くの店で、ガラス越しに製造工程を見学できる。
見せ方も店ごとに違っていて、これが想像以上に面白い! 「なにここ、私にとって楽園では?」と思いながら、気づけばもみじ饅頭の製造ライン巡り状態。
そんなこんなで早めに広島市内へ戻るつもりが、あっという間に13時。そして、時間の経過とともに、どんどん人が増えていく。さすが世界遺産・宮島である。
・最後の最後で晴れ間の大鳥居
8時すぎに宮島入りして、約5時間滞在。その間、何度も厳島神社方面へ足を運び、干潮時の大鳥居、雪の中の大鳥居、少し海につかる大鳥居と、いろんな姿を見ることができた。
でも、やはり晴れた空の下、海に浸かる鳥居も見たかったなぁと思いつつ、そろそろ帰ろうかとした、その最後のタイミングで……晴れ間が!
ありがたや~ありがたや~~。
ちなみに昼過ぎになると、厳島神社に入るにも行列ができていた。
・宮島、居心地が良すぎる
帰りのフェリーは行列ができており、1本待ち。船内は行きとはまったく違う満員状態だった。
ここでも隣の乗客から中国語が聞こえてきたので話しかけてみると、やはり台湾からの観光客だった。全体的に中国からの渡航自粛呼びかけの影響って、本当なんだと実感することとなった。
今回の宮島訪問は、寒さこそ厳しかったが、その分、島のさまざまな表情をじっくり味わえた気がする。そして、地元の人たちの話を聞く限り、「人が減った」というより、「訪れる人の顔ぶれが変わった」という印象のほうが近いようだ。
個人的には、すっかり宮島が気に入った。また季節と時間帯を変えて、訪れてみたい。
執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews24.
▼宮島で食べた焼きガキおいしかった~
▼鹿さんにも癒された
▼時間が経つに連れ、観光客が増えていく宮島
▼島内にはオシャレなお店もたくさん
▼季節を変えてまた訪れたい宮島