
なんだこれは? 鶏ちゃん焼き? 聞いたこと無い食べ物だな……。ふと近所の松屋に入ったら、知らない料理が券売機に表示されていた。
どうやら2025年9月9日から販売されていた店舗限定メニューらしい。とりあえず食ってみた結果……これは郷土料理を超えて、日本人のソウルフードだろ!!
・鶏ちゃん
未知すぎたので “鶏ちゃん” でググったところ、農水省のHPがヒットした。例の、全国各地の郷土料理を紹介しまくってるページだ。
それによると、1950年ごろに誕生した、わりと最近の岐阜の郷土料理らしい。鶏肉とキャベツなどの野菜を鉄板やジンギスカン鍋で焼きながら食べるものだという。オリジナルはジンギスカンのようだ。
松屋での価格は930円から。定食とか半熟玉子セットとかで価格は推移する。今回は、せっかくなので半熟玉子セットをチョイスし、テイクアウト。ちょうど1000円だった。
これがメインの鶏ちゃんだと思う。見た感じは、豚汁の豚が鶏になった版……みたいな?
そして味噌汁。これが後で重要になる。
この鶏肉は、松屋で死ぬほど使い回されているごろチキ規格のチキンではないかと思われる。サイズとカット的に。
まずはこのまま食べてみよう。なるほど、普通の鶏の味噌煮込みというか、なんかそういう感じだ。普通に美味い。味噌と鶏を憎んでいる人を除き、これが嫌いな日本人はいないだろう。
・は?
しかし松屋の勧める鶏ちゃん焼きの食べ方は、ここから数段階の変化を有してる。まずは……味噌汁を投入!!
は? マジで? この時点で食べ物で遊ぶなと炎上しそうだが、これが公式スタイルだ。味噌汁をぶっかけるのはガチでオフィシャル。
いやしかし、テイクアウトしてやってるからインパクトが弱まっているが、店舗でやったらだいぶ目立ちそうだな……。大丈夫かこれ。水っぽくなったりしてない?
しかし、まだ完成ではない。言ったろ? 数段階の変化だと。ラストはここに、白米をブチ込むのだ!! しかしテイクアウトの容器のサイズ的に、今回は白米に、この味噌汁をアドされた鶏ちゃんをブチ込もう。
完成。おっと、白米がアドされたことで過剰に思えた液体成分がいい感じになり、なんかうまく落ち着いたビジュアルに。
しかし料理において、ビジュアルは二の次三の次。真に重要なのは味だ。はたしてやれるのか? 食べてみると……
_人人人人人人_
> ウマい!! <
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・ねこまんま
ちゃんとウマい! ここまでの手順やビジュアルはだいぶアレだったが、これはウマいぞ!! というかこの味、とても懐かしい。
そうだ、この味わいと食感……全日本人が1度はやって、特にキッズの頃に好きだったであろう “ねこまんま” だ!
絶対みんな、子供の頃に、とりあえず豚汁や味噌汁をご飯にブチ込んで、混ぜて食べる 通称 “ねこまんま” をやったことがあるだろう。
ビジュアルがビジュアルだけに、親からは人前ではやらないようにとか教育されがち。しかし、あれは絶対的に美味い。
全日本人の根源的な嗜好に刺さりそうな何かがあるフレーバーだ。そしてこの鶏ちゃん焼きには、”ねこまんま” の持つ、日本人の魂に結び付いていそうなウマさがある。
つまりこれは実質的にソウルフード。全国展開したら安定してウケると思う。
参考リンク:松屋、農林水産省
執筆&写真:江川資具
Photo:RocketNews24.