先日京都を訪れた際、何か面白いものはないかな……とお店を歩き回っていると、ふとある商品に目が留まった。
達筆な文字が書かれたパッケージに包まれたそれは、どうやら「大徳寺納豆」というらしい。
へぇ、そんな納豆があるんだ。何気なくお値段を確認してみたところ……え、税込901円!?
普通の納豆では考えられないお値段に、危うく声を上げそうになってしまった。いったい何が違うんだろう……!?
気になったので、購入して食べてみることにした。
・誰!?
パッケージを開封してみると、中には大徳寺納豆の袋と説明書が入っていた。
説明書によると、おつまみとしてそのまま食べたりサラダや野菜炒めなどに入れたりするとおいしいらしい。
いろいろな味わい方があるんだな。一通り確認したところで、袋を開封してみると……
黒ぉ!???!??
わ、私が知ってる納豆とは全く違う物体出てきた……!! 誰!?
大徳寺納豆も普通の納豆と同じように大豆から作られているようなのだが、その面影がどこにも見当たらない。納豆のアイデンティティであるネバネバも一切ないし。
唯一の共通点は強い香りを放っているところなのだが、香りの種類が全くの別物。強い香ばしさと酸っぱさが混ざったような……一番近いのはレーズンの香りかな。
よく見る納豆をイメージしていた上に何の前情報も仕入れずに対面してしまったので、インパクトが半端なかった。
しばらく「本当に食べていいのか、これ……」とためらってしまったけど……き、京都の貴重な食材だし大丈夫なはず!
勇気を出して1粒口の中に入れてみると……
うおぉおおぉ酸っぱ苦ぁあぁあ!?????!?
なんというか、香り通りの味といった感じだった。強い酸っぱさ、しょっぱさ、苦さが同時に襲い掛かってきて結構キツい……!!
レーズンの甘さを全部抜いて、酸っぱさをハチャメチャに強化したみたいななかなか刺激の強い味だった。
なんとか1粒は消費できたけど、袋の中にはまだまだたっぷりの大徳寺納豆が詰まっている。
全て食べきるのは大変そうだ。どうしよう、これ……
・アレンジしてみたら……
そういえば、説明書に他の料理に添える食べ方が載っていたっけ。他の食べ物で味を中和すれば、もしかしたら食べられるようになるかもしれない。
ということで、まずはサラダに2粒だけ添えてみた。果たして本当にあの強烈な味がサラダと合うんだろうか。震えながらも覚悟を決めて食べてみると……あれ?
悪く……ないじゃん?
確かに味はそのままなのだが、単品で食べた時と比べて明らかに食べやすくなっている。野菜に風味が移っているところなんか、香ばしさと酸味が追加されていてなんだかオシャレだし。
もしかして、と思って細かく刻んだものをかけてみたところ……
大正解じゃん!!!!!!
マジで食べやすさが全然違う……!! 塊が小さい分、味のインパクトも控えめになっている。それが野菜の淡泊さといい具合にマッチしていておいしかった。
この方法なら一度に4~5粒入れても大丈夫だったぞ。どうやら筆者には単品で味わうより、調味料のようにして味わう方が合っていたみたいだ。
レーズンみたいな風味なら、パンと合わせてもいけるんじゃないだろうか? ということで、刻んだ大徳寺納豆を練り込んだパンも作ってみた。
見た目はチョコチップ入りのパンみたいでなんだかかわいい。
うん、予想通り! しょっぱい系の風味に仕上がっていて悪くない。サラダよりさらに刺激が緩和されていて、大徳寺納豆の風味を抵抗なく味わえる仕上がりになっていた。
最初にこれを作っておけば、びっくりせずに大徳寺納豆を味わえた気がするな。それくらい食べやすい味だった。
・クセになる……かも
いや~、最初はどうなることかと思ったけど、無事に1粒残らず消費できそうでほっとした……
納豆にもいろんな種類があるんだなぁ。また一つ新しい味を知ることができた。
正直、好き嫌いはかなり分かれると思う。ただ、京都で昔から受け継がれている味を1度試してみるのも悪くないのではないだろうか。
自分にぴったりの味わい方を見つけられれば、その独特の風味がクセになってしまう……かもしれない。
参考リンク:大徳寺一久
執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.
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▼栄養成分表示、消味期限はこんな感じ