「おかず」か? はたまた「おやつ」か?
意見がきっぱりと分かれる食べ物『コロッケ』。こうしている今も、日本のどこかでは「コロッケ論争」が勃発していることだろう。
本日は、そんな終わりなき論争に私なりの1つの答えとして……我が祖母(85)が生みだした ‟最高のおかず” になる激ウマ コロッケのレシピを特別に紹介したいと思う。
・特別な材料はナシ
私の祖母は、親戚が営む肉屋で長年お惣菜作りを担当していた謂わば『調理のプロ』だ。そんな祖母が作るコロッケは誇張なしに世界一美味い。
今回は、その美味さの秘訣を探るために買い物から同行したのだが……
購入したのは、まさかの『薄力小麦粉 & パン粉』のみ。
あとは、家にあった
・豚ひき肉:約300g
・玉ねぎ:2玉
・ジャガイモ:約600g(品種は何でもOKとのこと)
メインの材料はこれだけで大丈夫とのこと。特別なモノは何1つ使用していないことを知って驚かされた。
唯一のポイントとしては「家でつくる場合、ジャガイモは新鮮なものよりも古くなって水分が抜けたモノを使ったほうが美味しく仕上がるよ」とのことだ。
・調理開始
まずは、皮付きのままジャガイモを塩ゆでしていく。
茹であがるまでの間に、タネの準備を進める。まずは玉ねぎ2玉をみじん切り。
お次は、オリーブオイル(大さじ1程度)を引いたフライパンで豚ひき肉を炒める。
味付けは、塩と砂糖(ひとつかみ)・醤油(一回し)・ブラックペッパー(気持ち多め)。分量にこだわりはないので味を見て足してほしいとのことだ。
ひき肉に火が通ったら、みじん切りにした玉ねぎを投入。この時、炒めすぎると水分が出過ぎてしまい仕上がりが悪くなるので『サッ!』と合わせる程度で火を止める。
茹であがったジャガイモの皮を剥いたら、マッシャーやフォークを使ってよく潰し
炒めた具材を合わせる。
ここへ、バター or マーガリンを約30g(分量はお好みで)加える。具材を炒める段階でバターを入れるお店もあるけれど、タネをまぜる時に加えた方が風味が立って美味しくなるらしい。
ヘラなどを使い、全体をしっかりと混ぜ合わせたら
蓋をして、30分ほど室温にて放置し味をよくなじませる。
30分後、タネを小判型……ではなく『まん丸』に成形し、よく冷えるまで冷蔵庫に入れる。ちなみに、今回の分量だと約25個作れた。
なお、ここでしっかり冷やしておかないと揚げる時に爆発してしまう原因になるので入念に行うこと。
・何故、丸いのか?
冷えたタネに、薄力小麦粉をまぶしたら
溶き卵 → パン粉の順番で衣をつける。
パン粉は食感が軽くなるように細目を使用するのがオススメとのこと。
無い場合は、すりこ木などで叩いて細かくすればOKだ。
あとは、揚げれば完成! 170℃~180℃くらいの中温で、キツネ色になるまで揚げていく。油の温度が高すぎると爆発してしまう可能性があるので、焦らずゆっくりと揚げるのがポイントだ。
揚げている間に、我が家のコロッケは何故おなじみの小判型ではなく『まん丸』なのかを聞いてみた。
理由としては『一度にたくさん揚げれること』、『翌日お弁当に入れるときに、スペースが確保しやすいこと』。あとは『食べる時に教える』とのことだった。
・宇宙一美味い
さぁ! こちらが完成した、祖母特性の『まん丸コロッケ』だ。
できたてを半分に割ってみると、トロォ~とタネがあふれ出してくる。実はこのトロけ具合こそが、我が家のコロッケが『まん丸』である最大の理由であると祖母は話す。
一般的な小判型でつくるよりも、丸形で揚げたほうが「トロけ具合」と、その「食感」を存分に楽しめて美味しくなるのだとか。いやぁ、そんな工夫をしてくれていたのか……昔から知らずにバクバク食っていたよ。
で、味はと言うと……もう最高! とろとろのジャガイモ。パンチのある肉々しい旨味。たまねぎの甘味と食感も最高。食べ応えだって半端じゃない!
そして、白米との相性は抜群だ。ビックリするくらい米が進む。これを食べた人は間違いなく、コロッケは『おかず』である! と断言することであろう。
いやぁ……マジに世界一いや、個人的に宇宙一美味いコロッケだ。アンタの孫で良かったぜ本当に。
・美味さの秘訣
でも、なんで「普通の具材」と「調理法」でここまで美味しいコロッケを作ることができるのだろうか? 美味さの秘訣をきいてみたら……
「とにかく、具材をケチらないこと。ひき肉とか玉ねぎとか、たくさん入れると美味しいでしょ? たったのそれだけ(笑)」
と、まさかの超シンプルな回答がかえってきた!
でも……たったそれだけの単純なことで、こんなにも美味しいコロッケが作れるのだから本当に大事なことかもしれない。しっかりと覚えておこう。
てな訳で、我が家の祖母が作る ‟最高のおかず″『まん丸コロッケ』の紹介であった。作るのに少々手間がかかるかもしれないが、食べれば後悔はしないはず。
あと、冷めてもめちゃくちゃ美味しいので翌日のお弁当のおかずとしても超おススメだ。ぜひ一度作ってみてほしい。
執筆:イナバタクヤ
Photo:RocketNews24
▼祖母のオススメの食べ方は、マヨネーズ&ケチャップの「オーロラソース」。こちらも相性抜群なので、お試しあれ。