先日、東海汽船の弾丸ミステリーきっぷで、伊豆大島に日帰りで旅行したときのこと……。
港のお土産店で「あったらラッキー!」という言葉とともに売られていたのが「大島バター」なる商品。
食いしん坊でバターにこだわる人は多く、私もスーパーやデパートではバター売り場をよくチェックするのだが、「大島バター」は初めて見た。
しかも価格は225gで1400円と超高級。気になるので購入してみたが、この「大島バター」は普通のバターとは全然違った!
・奥深きバターの世界
酒好きが旅先地酒を買うように……とまではいかないが、バターマニアも珍しいバターには目がない。
家庭でよく使われるバターといえば、雪印や明治、よつ葉バターだと思うが、全国各地の牧場では様々な高級バターが作られている。
フランスの「エシレバター」や、高級スーパーでよく見る「カルピスバター」、缶入りで売られている北海道の「トラピストバター」あたりが有名。ちなみに私は宮崎の「高千穂バター」のファンである。
・開けてびっくり
大島バターは伊豆大島の乳牛の乳と、大島産の塩だけを使って作られている。
普通のバターが200gで450円前後なのに対して、「大島バター」は1400円と3倍近い値段。しかも伊豆大島でしか流通していないときた。
パッケージは素朴そのもの……。手作り感にあふれていてなんともいえない味がある。
ホルスタイン牛の絵が描かれているのだが、背景の三原山はなんと噴火している。たしかに三原山といえば噴火だが。
さっそく中を開けてみると、バターが銀紙ではなく薄い紙に包まれて入っている。
この薄紙にも「大島バター」の文字と噴火する三原山のイラスト入り。
そうっと薄紙を剥がしてバターを取り出してみて
私はめちゃくちゃ驚いた
バターがめっちゃ白い!!!!
えっ、こんなに真っ白なバター初めて見たよってくらい、白いのだ。バターというより、生クリームのような白さ。
スーパーでよく売ってる明治のバターと比べてみるとその白さは歴然。
・びっくりするほど滑らか
そして、驚いたのは白さだけではなかった。
冷蔵庫でキンキンに冷やして出したてなのに、めちゃくちゃ柔らかいのだ。
もうスーっと、滑らかにナイフが走る。
白くて柔らかなバターをそのまま口に運ぶと……クリーミーでスッと舌の上で溶けて消えた!
ミルクの香りは残るのに、しつこくなくてすごくサッパリしたバターなのだ。
繊細な味わいなので、トーストに溶かして塗るよりも、バターそのものの味を楽しみたい。
今回はレーズンパンにたっぷりバターを載せて食べてみた。
ドライフルーツと一緒に食べたり、あんバターサンドにするのも美味しいと思う。
・実はめっちゃこだわって作られている
大島は、気候や牛が食べる青草が1年中繁茂することから、かつて「ホルスタイン島」と呼ばれたほど酪農が盛んな島だったそう。
ところが、大手メーカーとの価格競争や消費量の減少で2007年に大島牛乳やバターを製造販売していた会社が倒産。
一度は「大島牛乳」は姿を消したのだが、2008年春に復活を求める有志の力で再開した……という経緯があって、今は非常に少人数で作られているとのこと。
バターの製造は搾乳量が多かった日のみ。さらに社長自らが面倒な手作業の製法で作っているので、大量生産ができないレア物らしい。
ちなみに、バターの色は牛が食べる餌によって異なっていて、大島の乳牛は乾燥干しの草を食べることが多いので、 黄色みが少なく、サッパリした味わいになっているそうな。
こってり系じゃなくてサッパリ系のやさしいミルクの香りのバター。
大島か竹芝客船ターミナルのお土産売り場でしか買えないので、もし見かけたら買ってみるべし。
参考リンク:東京愛らんど
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.