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【映えないグルメ】昭和から続く「ハンディお好み焼き」を食べてみたら、その手軽さに感動した / 相模原「ピーターパン」

2024年4月29日

数人で個人的なソウルフードの話をしていたら、友人I君(50代)から『ピーターパンのお好み焼き』というワードが飛び出した。一同ポカ〜ンだ。


I君も昭和以来それを口にしておらず、店が存続するのか気になりググってみた。


彼の記憶とは異なり、ピーターパン(またはピーターパンエクスプレス)は、お好み焼き専門ではなかった。


ラーメンやたい焼き、クレープを扱うチェーン店で、1973年当時、勢いのあったハンバーガーのような手軽さを求めハンディタイプのお好み焼きをメニューに加えたという情報がある。


現在は3店舗が存在するピーターパン。I君のクルマで最寄りの相模原橋本ロイヤルホームセンター店へ行ってみた。


最寄りといってもクルマで1時間以上の道のり。道中あまりに暇なので、どうでもいいことをいろいろ聞く。


I君は当時、水泳教室の帰りにピーターパンへ寄り、お好み焼きを食べるのがルーチンだったそう。


運動後の腹ペコ男児が食うのだから、それは至福のひとときとして記憶に刻まれたであろうことは想像に難くない。


〜盛り上がらず仮眠〜



ようやくロイヤルホームセンターへ到着。たい焼きの旗が風になびく。


入り口を入り、すぐ左にピーターパンエクスプレス。


さっそくお好み焼きを注文しにレジへ。メニューの一番下、売る気あるのかしらと思うほど控えめだ。

それはさておき、お好み焼きに種類があることが判明。


全5種類で値段は450円〜520円。I君は味を選んだ記憶はないそう。


店員さん曰く『ベーコンエッグ』を販売したのち、種類を増やしていったそうだ。



・とりあえず全部買ってみる

アルミホイルに入れられた、あつあつのお好み焼き。朝、店員さんが仕込み、注文が入った直後に温め直して出している。

シールが貼ってないのが『エビ玉チーズ明太』……長いから?


・35年ぶりのソウルフード

I君に懐かしの味を確認してもらう。先に断っておくが、ハンディお好み焼きは “映え” ない。


“めくる” と記された部分から、バナナの皮のようにアルミホイルを剥くと……。


顔を出したのは、ふたつに折られた『豚玉』のお好み焼き。

メニューにあったタコスのような外観からは程遠いが、サイズ的にはむしろタコスに近い。


どれを頼んだところで、かじるまで中身はよく見えない。それより味だ。I君?

懐かしい〜」……まるで参考にならないので私が言おう。



・ザ・お好み焼き

これはザ・お好み焼きだ。味的には、それ以上でも以下でもない。模範的にウマい。


最大の価値は、食べ方を含めた “体験” にある。


まず、片手で持って食べられるのは、想像した以上に素晴らしい。お祭りの屋台のお好み焼きもこれにしてほしい思ってしまった。


アルミホイルをむいた後は、ほぼ片手でいける。アルミホイルは厚めで、手で持ってもアチっとならず、お好み焼き本体がしなって落ちる心配もない。非常によく考えられている。


この体験を、お祭りで食べるお好み焼きと比べるとどうだ? アチっとなりながらこぼさぬように容器を持って、箸を割って……手軽な印象は皆無だ。


お祭りじゃなくても、お好み焼きを食べるのって、まぁまぁ大ごとな気がする。ピーターパンでは最高の状態で出てきて、すぐに食べられるのがいい。


例えば、お好み焼きを初めて食べる外国人に、これを出すのも正解な気がする。味はオーソドックスで、箸の使い方を教える手間もない。ジャパニーズ・ハンバーガーとでも言っておけばいいだろう。

私は全種食べた上で、それぞれの味に大差はないと確信した。もちろん、種類ごとに素材の味は生きているが、後味はザ・お好み焼きだ。


ただし、『豚玉モダン』だけは、少し特別な気がした。

なぜなら、これはだけは、まぁまぁ “映える” と思ったから。

どこの世界でも焼きそばのチョイはみ出しは反則技だ。後味は、やっぱりそんなに変わらないが、ボリューミーな食感が好きな人や腹ペコキッズにおすすめ。


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 ピーターパン(グリーンズプラネット) 相模原橋本ロイヤルホームセンター店
住所 神奈川県相模原市緑区西橋本3-9-8 ロイヤルホームセンター相模原橋本店1F
営業時間 10:00〜20:00


執筆:矢崎飛鳥(ACCN)
Photo:RocketNews24

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