ムダに人生を50年も生きてるけど、まだまだ知らないことばかり。経験したことないことばかりだ。このまま人生終盤戦を迎えるのはもったいない! ってことで、またひとつ、新たな経験をしてきたぞ!
何を隠そう、私(佐藤)はフグをまともに食べたことがない。多分、どこかの旅館や誰かの結婚式とかで食べているとは思うんだけど、てっちり(フグ鍋)てっさ(フグ刺し)をちゃんと食べたことがなかった。そこで、とらふぐ料理専門店「玄品ふぐ」に初めて行ったら、驚きの連続だったのだよ!
・初めての玄品ふぐ
玄品ふぐの名前はよく知っているし、フグ料理の専門店であることもわかる。けど1度も利用したことがない。当編集部のある新宿にも、家の近くの中野にもお店があるもんだから、日に2回とか看板を見ることすらあるのに、どんな店なのかまったく知らないのです。
こりゃ、おそらく人生損してるんじゃないか? 行くしかねえ!! ってことで新宿3丁目のお店に来ました。この建物の2階らしい。
階段を上がろうとしたら、真正面にまばゆく光る玄品の文字。うぅ……、勝手にプレッシャーを感じてしまう。やっぱ私の来るところではなかったか。いや、負けてらんねえ! 今、行かないともう来ないかも、だから行こう、今行こう!
入店してメニューを見ると、目に留まったのは下関直送A5ランク天然とらふぐ! うっひょー!! すげえ。ただしコレは前日までの予約限定とのこと。フラリと入って注文できる代物ではなかった。
私のような初心者には、ランチメニューがちょうどいい。とはいっても、もっとも安いものが税込3800円だから、やっぱ高級食材だよね。とりあえず、コレを頼んでみましょう。
・この小鉢のヤツが美味い!
まず最初に出て来たのが小鉢とお冷だ。
まず言わせて頂きたい。この水が驚くほど美味かった! この日の昼は暑かったので、喉の渇きも美味しく感じられた要因ではあるけど、グラスの口当たりがとてもよかったんだよねえ。さすが玄品ふぐ、食器も良いもの使ってる!
水はさておき……、小鉢を食べてみたら、コレも美味い! ナニコレ!? コリコリして歯ざわりがいい。まるで、梅水晶(サメの軟骨)みたいに噛み心地がいいね。これだけおかわりしたいくらいだ。
ところでコレはナニ? メニューを確認したら「湯引き」でした。これがあの有名な湯引きか~。フグの皮を湯にくぐらせたものだよね。フグの皮ってこんなにコリコリしてるんだねえ。乾きモノでしか食べたことなかったから、知らなかったよ。乾いてない方が皮は美味いんだなあ。
・てっさって思ったより……
続いて来たのが、てっさ! フグ刺しですな。
職人の技が冴える薄造り、下の皿が透けて見えている。
まずは薬味なしでひと切れ食べると、繊細な見た目に反して身はモチモチとしている。味はたんぱくでサッパリしているけど、食感のモッチリが強いね。
次は薬味を巻いてみました。こうしてみると、生春巻きのように見えてしまうな……。
食い慣れないものだったせいか、正直なところフグ刺しの美味しさがよくわからなかった。湯引きの方がはるかに強く印象に残ってしまっている。フグ刺しの方が料理としては格上だと思うけど……。きっと湯引きがウマすぎるのだろう、うん。
・フグは鶏肉
次は鍋、つまりてっちりが来るはずなんだが、スタッフはカゴと紙を持ってきた。鍋はどこ?
実はコレが鍋だった! スタッフは紙の中に出汁をジャーっと注ぎ込んだ。このまま加熱するようだ。おそらく外国人観光客向けのちょっとした演出かも。実際、店内には多くのアジア系の観光客が来ていたから、普通の鍋よりも紙鍋の方がウケるのかもしれない。
さらにこの中にコラーゲンゼリーを投下! 液中のナタデココみたいなのがコラーゲンです。
高級なお店なので、鍋の段取りは全部スタッフがやってくれる。私はただ食べ頃になるのを待つだけである。とてもぜい沢だ。
すでに鍋の中には分厚いフグの身が3切れほど入っている。それと別の2切れは、鍋でしゃぶしゃぶして食べるように指南された。風の噂で聞いたことのある「フグしゃぶ」ってヤツですね。仰せのままにしゃぶしゃぶしよう。
いざ、フグしゃぶ!
アッという間に白く色づいて、ギュッと身が縮んだ。すかさずポン酢に浸して、ネギと共に頂く。皮と同じくしっかりとした歯ざわりがありつつも、身はとても柔らかい。この独特な食感がフグの美味しさなのかも。
具材にひと通り火が通ったので、次々とポン酢にぶち込む。
分厚いフグの身は鶏肉みたいに見える。食べると食感も味も鶏ももに近いかも。それより気になったのはフグの骨。魚にしてはそれほど大きい部類ではないのに、この身についた骨は結構大きかった。あのふっくらとしたフォルムを、しっかりした骨で支えているんだな。
・最初から最後までいたアレ
最後は雑炊でシメ。これもすべてやってもらえるから助かります。洗って水切りしたご飯を鍋に入れ、強火でしっかり煮立てたところに、溶いた卵黄を投入。穴あきお玉を通して卵黄を流し入れると、キレイな黄色い線状の模様になった。
雑炊自体は割と薄味。フグはたんぱくで出汁は薄目、あっさりとした仕上げの雑炊だ。
とにかく初めてのフグ料理専門店に驚きの連続。なかでも1番インパクトがあったのは、最初から最後までネギと紅葉おろしがずっと出てきたことだ。そのおかげで、最終的に口の中にはネギと紅葉おろしの味が残った。
こういうモノなんですかね、フグって? ネギと紅葉おろしはマストなのかな? 食い慣れないからイマイチわからないけど、年に1度くらいは食べてみたい。フグは「福」というから、ゲン担ぎに年一で食べられるようにこれからも頑張ろう! 良い経験になりました。
・今回訪問した店舗の情報
店名 玄品ふぐ 新宿3丁目店
住所 東京都新宿区新宿3-8-2 クロスビル 2F
時間 12:00~15:00 16:00~22:00 土日祝12:00~22:00
定休日 なし
参考リンク:玄品ふぐ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24