以前、当編集部内で『セリそば』がブームになった。きっかけはサンジュン記者がどこかから聞いてきたレシピを記事化したことで、かくいう私もハマって密かによく作っている。セリそばはウマいぞ!
さて先日仙台へ行ったところ、冬の名物に『セリなべ』というのがあるらしいことを知った。それは絶対に食べたいが、残念ながらスケジュールの都合でお店へ立ち寄る時間がない。
そこで私は仙台のスーパーへ行き『セリ鍋のつゆ』と『セリ』を購入。これで鍋を作れば、もはや “本場のセリ鍋を食べた” も同然と言えるだろう。
・仙台のスーパーへ
なお仙台の街を歩いていると、『セリ鍋』を提供するお店の看板をマジそこらじゅうで見かける。
宮城のセリ鍋シーズンは冬から春先と言われている。これは根っこがボーボーなことで知られる「冬セリ(根セリ)」が具材として愛されているためだそうで、言われてみれば、どの店のセリ鍋画像も、ことさら根っこを強調している気がしなくない。
仙台のスーパーへ行くと……おおっ! 『せり鍋のつゆ』がバッチリ売られているぞ。もちろん『セリ』も大量陳列されていたため、購入のうえ新幹線で東京の自宅へ持ち帰った。
こちらが仙台で購入したセリになります!
…………秋田県産の!
・嘘ではない
どうか信じてほしいのだが、私は確かに仙台駅前のロピアでセリとツユを購入した。宮城県には『仙台セリ』なるブランドがあると聞いていたため、てっきり仙台に売っているセリはみんな宮城のセリだと思い込んでいたのだ。
まぁセリはセリなのでセリ鍋は作れるハズだが、果たして仙台で買ってきた意味は……?
……否。仮にもセリに厳しい仙台っ子が普段づかいしているセリである。ならばその時点で、これは正真正銘「仙台のセリ」と言えるのではないか。たとえ秋田産であろうとも。
ツユに記載された「おいしい召しあがり方」によると、セリ鍋には鴨肉を使うのが一般的で、鶏肉で代用もOKらしい。その他の材料についてはセリとネギ以外に一切明記されていないため、パッケージ画像を参考にしよう。
用意した具材はセリのほかに鶏モモ肉、肉ダンゴ、ネギ、シメジ。
肉に火が通るまで煮込んだら野菜を投入。セリはシャキシャキの食感が楽しいものだと思うので、くれぐれも加熱しすぎないように。
ところでツユの匂いに関して、ちょっとニッチな例えで申し訳ないが、もち吉の定番商品『いなりあげもち』に酷似していたことをお伝えしておきたい。甘くてダシが効いた、あの醤油の独特な匂いだ。
はい。こちらが仙台で買ってきたセリとツユで作ったセリ鍋の完成形になります!
・セリ鍋とは
実は私、セリの根っこを食べるのは生まれてはじめて。
硬いっ!!!
シャキシャキを通り越して口ん中でバキバキいっている……けど、おいしい。ちょっと泥臭いところがクセになる。好き嫌いは若干分かれるかもしれないが、私は好きだな!
で肝心のツユは、やはりというべきかソバツユ系であった。東京のソバツユをさらに濃くした感じで、西日本出身者の私にとっては、そのまま飲むとかなりショッパい。しかし、そこへセリを投入することで、なんともええ塩梅の味わいにまとまるのであった。
シメには蕎麦がオススメとのことなので、ソバをゆでて “追いセリ” を投入する。
死ぬほどうまい。
察しのいい読者はすでにお気づきだろう。要するにセリ鍋は “わりとセリそばと似たような食べ物” なのであった。セリ界の従兄弟……いや、兄弟くらいの関係性といえるかもしれない。セリ鍋のツユは通販などでも簡単に入手できるので、セリ好きの人はぜひ試してみてくれ!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]