シャボン玉の進化がすごい。ガトリング砲のように連射できるものや、人が入れるビッグサイズのもの、電動シャボン玉など、かつては大道芸の領域だったものが手頃な価格で手に入る。
「一面に広がるシャボン玉」のような写真映えする夢の世界が、一般人でも簡単に作り出せるのだ。
先日もユニークなシャボン玉を発見した。その名も「にょろへびのしゃぼんだま」! もこもこのヘビのようなロングシャボン玉が作れるらしい。
・「にょろへびのしゃぼんだま」(定価650円)
セット内容は「あわあわカバー」「あわあわパイプ」「日本製シャボン玉液」の3点。お馴染みのストロータイプのシャボン玉とはだいぶ様子が異なる。
「あわあわパイプ」はちょうどトイレットペーパーの芯くらいの円筒で、水に濡れても大丈夫な硬質素材。このままだと単に大きなシャボン玉が作れるだけだろうが、もうひとつの同梱アイテムが重要だ。
ニットのイス脚カバーのような「あわあわカバー」が付属。
この「あわあわカバー」を「あわあわパイプ」にかぶせれば準備完了。長~い泡が生まれて「風にながれてとんでいくよ!」とのこと。なんだかロマンチックだ。
思えばシャボン玉なんて何年ぶりだろう。筆者の子ども時代はストロー状のパイプしかなかったから、一度に吹ける玉に限りがあり、すぐにパチパチと消えてしまう。
ゆ~っくり吹いて大きな玉を作ったり、吹いた端からモグラ叩きのようにつぶしたり……何がそんなに面白いのかってくらい飽きずに遊んだ。なんだか童心に返るな。
手持ちの容器にシャボン玉液を入れて「あわあわパイプ」を浸したら、口にあてたパイプを思いっきり吹く! ふーっ!
口元から、にゅるにゅると出てくる泡!!
わぁ、きれ…………
きれい……か……?
アワフキムシの……卵……?
※アワフキムシとは、植物の茎に泡で包まれた幼虫の巣を作る虫。春から初夏にかけて野原や庭木で見たことがあるかも。モリアオガエルのこともあるよ。
おそらく風がないため、たなびかないのが原因だ。ボトッ、ボトッと落下して無残な姿をさらしている。
おまけに口を「オー」の形に大きく開けてパイプをあてがっているので、何かを体内から吐き出しているような錯覚を抱く。口から泡を吹く大人。なんだこの地獄絵図は。
さらに、ストローに比べると格段にパイプが太いので、結構な肺活量が必要だ。すぐにゼイゼイと息が切れてくる。苦しい。連続して吹くのが難しいくらいだ。
過去に肺の手術をしたとき、肺機能を少しでも維持するために呼吸訓練を行った。おもちゃの「吹き上げパイプ」のような機器で、思いっきり息を吹き込むと、少ぉぉしだけゲージが上がる。
力いっぱい吸って、吐いて、吸ってとトレーニングするものなのだが、ふわふわとボールが浮き上がって愉快な「吹き上げパイプ」と違い、苦しいだけでなにも楽しくない。そんな黒い記憶を思い出した。
年齢を重ねると記憶の貯蔵庫が「思い出したくないこと」ばっかりになって困る。
よく見たら、パッケージにちゃんと「泡の形状・写真はイメージです。うずまき状にはなりません」と書いてある! そりゃそうだ。この世の物理法則を無視した形にはなるまいよ。
まったくロマンチックではなかった。一人で床に向けて口からズモモモモ……と白い物体を吐き出すだけの遊びになってしまった。
よくわかった。終了する。
・子どもたちはきっと大喜び
成人女性のソロ活には向かなかったが、子どもたちは奇妙なものや面白いものが大好きだ。むしろ小ぎれいなものや、お行儀のいいものより喜ぶ。おそらく物珍しさから大盛り上がりになると思われる。
吹きながら動いたり、泡を触ったり、どこまで長くできるか試したり、きっと楽しく遊ぶだろう。
対象年齢は3歳以上。大人一人で遊ぶのはおすすめしないが、もし小さい子どもさんがいるなら、ぜひお手に取ってみてくれ。大笑いしてくれるはずだ!
参考リンク:クツワ株式会社
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.