2023年1月22日から2月5日まで開催中の長崎ランタンフェスティバル。昔は小規模なお祭りだったのだが、今では冬の長崎の一大イベントとなっている。
期間中、長崎市内の観光地エリアはランタンだらけで異国情緒が漂っている。中でも観光客が集まるのがメイン会場の新地中華街。出店も多いし、出し物もあるしで賑わっている、
ただ、地元民的におすすめしたいのは「唐人屋敷跡会場」である。メイン会場から徒歩3分ほどと近いのに、観光客の方は見落としてしまうようなのだが、より中華な雰囲気を味わえる場所なのだ。
・鎖国時代の中国人居留地
長崎には、鎖国時代にオランダ人が住んでいた出島のほかに、中国人の居留地もあった。それが唐人屋敷と呼ばれる場所である。(現在は館内町と言われるエリア)
塀に囲まれた唐人屋敷は、かつて実際に中国の人が住んでいたこともあって、町並みが古い中国のよう。
実は観光地として整備され始めたのは十年くらい前からなので、新地中華街の観光地っぽい華やかな雰囲気ともまたちょっと違う。手つかずだったゆえのノスタルジックさが魅力である。
この唐人屋敷エリアにあるのは
・土神堂
・天后堂
・観音堂
・福建会館
という4つの中国風のお寺。ここが夜になって赤いランタンが灯ると、なんともエキゾチックであやしげなムードに。
ちなみに、この4つの寺は狭い範囲に集中しているので、トータルで20分もあれば回れる。
・4つのろうそくを灯す
昔のカンフー映画とか、キョンシーに出てくるみたいな中国のお寺!
ランタンフェスティバルの期間中は、4つの寺に赤いろうそくを1本ずつ灯すと願いが叶うというお堂巡りもやっている。
これがまた、寺の境内を赤く染めて呪術チック。
寺の梁の飾りや意匠も美しいので必見である。
お寺の中には関羽や媽祖様(まそさま / 漁業の女神さま)といった中国の神様が祀られている。
・中国と昭和が交錯する路地裏
唐人屋敷エリアのおすすめは、以前は岩永市場という地元密着型の市場があった通り。まるで中国の路地裏のようなのである。
特に不思議なのが、マル金温泉という銭湯の跡地のあたり。
昭和のノスタルジーと、中国のエキゾチックさが交錯する、なんともいえない魅力のある通りになっていて、自分がどの国の、どの時代にいるのかわからなくなる。
坂道、階段、暗渠、迷路のような路地裏。好きな人にはたまらない場所だと思うので、ぜひ歩いてみてほしい。
他のランタンフェスティバルの会場に比べると人も少なく歩きやすいので穴場なのである。
参考リンク: 長崎ランタンフェスティバル、長崎旅ネット(唐人屋敷跡)
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
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▼唐人屋敷会場の入り口。一見なんもなさそうに見えるので、ここで引き返してしまう人が多い。もっと奥まで行って!
▼メイン会場の新地中華街は混んでいる
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