ロケットニュース24

【超トク?】『全国旅行支援』を使って旅行した結果 → 出発前に疲れ果ててしまいました … ちなみに今ならギリ使えるのだが …

2022年10月21日

私が奄美大島(鹿児島の離島)への旅行を計画したのは今年の夏。漠然と「GOTOトラベルっぽいキャンペーンが秋ごろに始まるかも?」と噂されていた程度で、具体的な時期や内容は未定だった頃だ。「もし始まったらラッキーかもね?」ってなノリである。

しかし9月26日、事態は動く。観光庁が『全国旅行支援』と命名したキャンペーンを「10月11日からマジで始める」と発表したのだ。私の奄美行きはドンピシャの10月20日……おまけに「予約済みの宿にも割引が適用可能」ときた。「なんてツイてるんだ」と、その時は思った。

これが1カ月に及ぶ苦悩の始まりであることを、私はまだ知らない。

・悪夢の1カ月

全国旅行割の内容は、旅行代金が最大40%割引(宿泊のみの場合1泊あたり割引額の上限は5000円。移動とセットのプランだと上限は1泊あたり8000円)。さらに1泊あたり平日3000円、休日1000円の『地域クーポン』がもらえるというものだ。

例えば「1泊1万2500円の宿に平日宿泊」した場合、「7500円で泊まれて3000円のクーポン券もついてくる」という計算になる。1万2500円が実質4500円……いかにヤバいキャンペーンかがお分かりいだだけるだろう。

が、しかし……! ここから約1カ月(9月26日〜10月20日)の間に起きた出来事は、間違っても「ツイてる」とは言えないものだった。詳しく説明すると長くなるので、以下に時系列で記させていただく。


【9月26日以降の出来事】

観光庁の発表後、『楽天トラベル』『じゃらん』『Yahoo! トラベル』といった大手旅行サイトが続々と “全国旅行支援に関するお知らせ” を更新

しかし私が予約していた『ブッキングドットコム』は待てど暮らせど動きがない

実はフタを開けると、旅行サイトや会社ごとに全国旅行支援への対応が全く異なっていたのだ

『ブッキングドットコム』が「全国旅行支援に参加しない可能性」が囁かれ始める(※ その後、かなり遅れて10月19日から予約受付開始)。

慌てて参加を表明している別の旅行サイトをのぞいたところ……



宿、残りすくねぇぇぇぇええええ !!!!!!


この時点で10月5日。キャンペーンはまだ始まっておらず、そもそも本当に実施されるかどうかも分からない段階

“キャンセル可能な宿の仮押さえ行為” が横行したことも大きな要因とみられる

「全国旅行割を理由に奄美行きを決めたわけではないが、かといって自分にだけ割引が適用されなかったら悔しい」という気持ちにさいなまれる

私は苦悩の末、ブッキングドットコムの予約をキャンセル。大手旅行サイト『じゃらん』で売れ残っていた宿を予約した

待ちに待った10月11日、ついに全国旅行割クーポンが配布開始! ところが……

なぜか京都、広島、奈良、鹿児島といった一部の県だけ、サイトに「未定」と表示される

数日後…… “他のサイトでは鹿児島のクーポンが配布され始めるも、『じゃらん』だけ未定” という嘘みたいな展開になる

数日間、眠れぬ夜を過ごす



そして出発2日前の10月18日……奇跡的に『じゃらん』で鹿児島のクーポンが配布され始めたのだった。嬉しいけど疲れ果ててしまいました……!


・お分かり頂けただろうか

以上、駆け足で全国旅行支援に振り回された私の1カ月をお伝えした。全国旅行支援は各都道府県や旅行サイトごとに予算分けされていたため、「あっちのサイトでは終了したけど、こっちのサイトはまだイケる」といった状況が頻発。人気の県は文字どおり「一瞬で」キャンペーン終了となるケースも目立った。

基本的には “情報を追い続けた人” “大量のカラ予約を入れた人”  “運が良かった人” しか狙いの宿をゲットできないシステムであり、 ”情報に疎いお年寄り” や ”日中ネットをいじれない人” は、ほぼ対象外だったと言えるだろう。

今回、最終的に私は旅行支援を受けることができた。しかし「もし出発が2日ズレていれば、キャンペーン中なのに対象外だった」と考えると、素直に喜ぶわけにいかない自分もいる。

また先ほど申し上げたとおり予約が大変混み合っていたため、私は1週間の滞在でホテルを3つ移動する予定だ。レンタカーが借りられなかった日もあり、当初思い描いていたのとはかなり異なる旅行を余儀なくされている。

「それなら旅行割を使わず最初の宿に泊まればよかったやん」という意見もあろう。しかし……これは心の問題なのだ。「他の人は使ってるのに自分だけ使えないなんてズルイ!」と思ってしまう性分は、そう簡単に治せるものではないのだよ……!

今回の旅行で私が得たのは “2万4840円の割引と地域クーポン1万7000円分” 。ただしキャンペーン期間中は全国的に “ホテル料金そのもの” が値上がりしているとも言われている。 “1カ月間の苦悩” と ”行き先大混雑” の代償が4万円……高いのか安いのか、もはや分からない。

もちろん観光地が潤うのはいいことだ。しかし ”キャンペーンがなければ旅行しなかった人” が “キャンペーンがなくても旅行した人” の需要を奪ったとすると、差し引きどれほどのプラスがあるだろう?


個人的な感想ではあるが……「できればキャンペーンじゃない時に旅行したかった」と思わずにいられない。


なおチェックイン時にもらえる地域クーポン、地域によっては利用できる場所が少ない場合もあるから注意が必要。私が滞在している奄美市内は34の店舗で利用可能だが、中にはメガネ屋や電気屋も含まれており選択肢はかなり狭い。

おまけに使用期限はチェックアウト日までと厳しめ。あらかじめクーポンの使い道をよく調べておくべきであろう。考えようによっては「奄美大島でメガネを買う」というのも、なかなかナイスな思い出と言えるかもしれないな。

全国旅行支援クーポンは10月21日現在、一部の地域と旅行サイトで利用可能(12月下旬までの宿泊が対象)。すでに運用されているキャンペーンのため、本記事の前半でお伝えした “なかなか始まらなくてイライラする” といった心配は無用だ。

ただし今から予約できる宿の中に、希望のものが残っている可能性は相当低いと覚悟しておいたほうがいいかもしれない。利用の手順は予約時にクーポンを使用し、チェックイン時に『3回目のワクチン接種証明書または検査証明書』と『身分証明書』を提示するだけ。

……とまぁ、キャンペーンのシステムに思うところは色々あれど、奄美大島の素晴らしさには1ミリの変化もないぞ。到着初日の昨夜、ホテル周辺に食べ物を売る店が1軒もないことに気づいた私は、仕方なく空きっ腹を抱えたまま就寝。今朝の『朝食バイキング』がいかに感動的だったかは言うまでもないことだ。

逆を言えばレンタカーが予約できなかったからこそ、これほどおいしい朝食を食べることができたワケで……そういう意味では全国旅行支援にも、それなりの価値があったと言えるだろう。結果的には。

結論として、キャンペーンがあろうがなかろうが旅行は楽しい。コロナが落ち着いた今こそ、かつて断念した旅行の計画を練り直すチャンスだ。キャンペーン終了後が狙い目と覚えておいてくれ!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:じゃらん、Booking.com

▼全国旅行支援と併用可能な『鹿児島県離島クーポン』は惜しくも来週から発行されるらしいが……さすがにもう悔しくないです

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