東京・お台場のヴィーナスフォートが2022年3月27日で閉館する。
2000年代は観光スポットとして栄えたお台場。近年は大江戸温泉物語やZEPP TOKYOの閉館など寂しいニュースが相次ぎ、足が遠のいていた人も多いのではないかと思う。
アウトレットの他はニトリやZARA、セリアなど他の駅ビルと似たようなチェーン店が多めのヴィーナスフォート。「りんかい線とゆりかもめは電車賃高いし、行かなくてもいいかな……」と思っている人、ちょっと待ってほしい。
ひとつだけ足を運んでほしい店がある。ヴィーナスフォートには、北海道発の回転寿司・とっぴ〜があるのだ!
・関東唯一の店舗
北海道の回転寿司チェーン・とっぴ〜については2017年に北海道を訪れた当サイトの記者・中澤が紹介記事を書いている。スシローマニアの中澤はその際、とっぴ〜を「北海道のスシロー」と呼んでいた。
その中澤の記事がきっかけとなった……のかは定かではないが、2018年、ヴィーナスフォートにとっぴ〜の関東初店舗がオープンしていたのだ。
・北海道の新鮮なネタが安い!
とっぴ〜は海鮮王国、北海道の回転寿司というだけあってレベルが高い。ネタは北海道産の魚介類が中心。店の中に生け簀があり、それをさばいたネタも日替りで用意されている。
そして、新鮮なネタが安い! お寿司は1皿120円から。180円のネタが一番多い印象だった。ランチの海鮮丼も、刺し身がたっぷりのって680円と破格。
……なのに、店が空いている! 私が訪れたのが平日夕方だったからかもしれないが、安くて美味い回転寿司は大行列なことが多いので、かなり穴場だと思う。
・安いうえに美味しくて昇天しかける
私がまず頼んだのは、お店イチオシの「最新好きな寿司ネタTOP10」というセット。なんと人気の寿司ネタばかり10貫がひと皿になって1160円。
大トロサーモン、生本まぐろ赤身、ぶりのハラス、生本まぐろ中トロ、大えび、真イカの生わさび添え、トロねぎトロ、えんがわ、いくら、肉厚ほたて……。
名前のとおり、寿司界のオールスター勢ぞろいである。かっぱ巻や玉子を入れず、海鮮オンリーで勝負! しかも1貫1貫がちゃんと大きい。食べるとこれが……めちゃめちゃ美味い。
脂たっぷりのサーモンに、肉厚で甘くやわらかなホタテ、とろける中トロ……。北海道産の生わさびを添えた真イカのツンとした味わいも最高! そして何気なくシャリや海苔も美味しい。会社の近所で食べた1500円の寿司ランチなんかパッサパサだったのに、1160円でこんなにプリプリの美味しいお寿司を食べられるなんて……。このオールスター10貫盛りだけでかなりの満足感!
私は長崎出身で、淡白な白身魚を食べることが多かったので、北海道の濃厚な海鮮に強い憧れがある。
うにの軍艦の上にいくらがこぼれんばかりにのった「うにいくら軍艦こぼし」(800円)は私の「北海道への憧れ」を具現化したような寿司だ。キラキラ光るいくらはまるで宝石……。
安い回転寿司の「うに」はバクチなので、ドキドキしながら食べたのだが、くさみゼロで甘い〜〜〜〜。いくらのプチプチ食感と相まって口の中が完全に北国パラダイスになってしまった。
・サイドメニュー&スイーツもぬかりなし
回転寿司といえばサイドメニュー。北海道らしい「ミニいももち」(180円)はほっくりモチモチで美味しくて、とっぴ〜に来ると絶対頼んでしまう。この日は売り切れていたが、小さなジンギスカンもあるようだった。
ちなみに、スイーツも数は少ないながらも、北海道らしいメニューがそろう。イチオシは「北海道小豆100%使用のぜんざい」(380円)。いももちと揚げ鯛焼きがのったぜんざいなのだが、とにかく小豆が上品で美味しい。
「北海道は芋も、小豆もうまいんやで〜」とこれでもかというほど畳み掛けてくる恐ろしい店である……。
・直球勝負がおすすめ
ちなみに、寿司ネタは「炙りカチョカバロチーズサーモン」のようなひねり系のメニューは個人的には今ひとつだった。目立つグループじゃないけど、よく見たらカッコいい男子がギャグを無茶ぶりされた結果、スベって変な空気になる……みたいな感じというか。
安めの回転寿司は素材より変化系で勝負! みたいなところがあるのに、ストレートなネタのほうが美味しいなんて珍しいと思う。
お店に問い合わせたところ、ヴィーナスフォートの閉店後は、関東への出店などは未定だという。3月27日の閉館日までは無休ということだったので、寿司好きはぜひ足を運んでみてほしい!
参考リンク:回転寿司とっぴ〜
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.