ロケットニュース24

【チョコレートパフェ探訪】第6回:本物の昭和レトロな喫茶店から滲み出る47年目の貫禄 / 大森「ティールーム山王」チョコレートパフェ(550円)

2022年2月17日

ふだん行かない街に行く時に、その地のチョコレートパフェを事前リサーチしておくのはプロのパフェラーの常識だ。その日、私は大森駅に用事があった。プロのキックボクサーであるマブダチの試合を観戦するためだ。

猛烈リサーチの結果、「ここだ!」と目星をつけたのは『ティールーム山王』なる喫茶店。やたらと安いチョコパフェの価格(550円)が気になったからだ。というか、550円を軸に書けるだろうとの打算もあった。


ところが……


そこは完全なる “昭和レトロ” な喫茶店。まるで映画に出てくるような、飾らない自然体の喫茶店がそこにはあった。店内に染み込んだタバコの香りと、ヤニで黄色くなった壁の暖色が、長い歴史を物語っている。


そんな中、注文したのは、もちろん……

チョコレートパフェ(550円)。

トップにはさくらんぼ。そしてみかんが顔を出す、いわゆる “喫茶店のチョコレートパフェ” なのであるが、ティールーム山王のそれは一味も二味も違っていた。どんな構成になっているのかを言葉で表現するならば──

チョコ、アイス、クリーム、みかん、チョコ、アイス、クリーム、みかん、チョコ、アイス、クリーム、みかん……と、徹頭徹尾みかん攻めなのである。なんなら「チョコみかんパフェ」と改名した方が良いほどに。

さらに、ギリギリのラインを攻めてくる “けっこう重め” のホイップクリームと、レトロな味する水飴チックなチョコレートのコンビが、いかにも “昭和!” な感じがして、食べ進めるほど脳内の時間は過去に戻る。

そして、そんな “昭和” なチョコ&クリームに包まれたドロドロみかんのウマいことウマいこと……! チョコパフェ偵察していたはずが、いつの間にかタイムパトロールになっていた。今の年号って、何だったっけ?

マスターに話を聞けば、昔から変わらぬ作り方で出しているとのこと。そして、この店「ティールーム山王」は、今年47年目であることを教えてくれた。貫禄あふれる47年前のチョコレートパフェは、人生の味がした。

ちなみに平成生まれのマブダチは試合に勝った。見事なフックでKO勝ちなうえ、その日のMVPまで受賞した。昭和のチョコパフェを胃に感じつつ、平成ファイターの勝利に狂喜乱舞。令和4年、2月13日のことである。


・今回訪問した店舗の情報

店名 ティールーム山王
住所 東京都大田区山王1-25-14
営業時間 10:00~19:00
定休日 火曜日

執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24

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