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【鬼滅の刃】「暴力的でグロテスクな画が多くて大変不快」という視聴者意見がBPOに寄せられる → 委員の見解がこちら

2021年10月12日

空前のヒットを記録した劇場版「鬼滅の刃」無限列車編。2021年9月25日のテレビ初放送の際には、アニメ1期の特別編集版が5夜連続放送されるなど、まさしく別格の扱いであった。

Twitterでもトレンドを独占したフジテレビの鬼滅祭り。しかし、話題になる一方で、BPO(放送倫理・番組向上機構)には批判の声が届いているようだ

・鬼滅の刃しかない

そんな声の一部がBPOのサイトに公開されている。9月28日に開催された議事の内容を記録した『第238回青少年委員会議事概要』の「視聴者の意見」の部分に、以下のような作品について議論を行ったことが記載されているのだ。

「劇場版アニメが話題となった作品のゴールデン帯での放送について」

・意見の内容

いや、鬼滅しかないだろこれ。ちなみに、今回の視聴者意見は2021年8月後半から9月前半までに寄せられたものだ。劇場版「無限列車編」の放送こそ9月後半だが、特別編集版の第一夜は9月11日、第二夜は9月12日だったので前半に入る。で、寄せられた意見がどんなものだったかと言うと……

「流血、残虐なシーンが多すぎる」「人を食べたり、腕がもげたり、ひどく暴力的でグロテスクな画が多くて大変不快」など。確かに、1話からいきなり血みどろだしなあ。

・鬼滅の刃の世界感

「鬼滅の刃」の背景には圧倒的な暗さみたいなものが常に横たわっている。絶望的な雰囲気と言い換えてもいいかもしれない。私(中澤)はそういうところも好きなポイントだったりするのだが、本作がジャンプ漫画であることや、子供にも人気があるということには割とビビっている

劇場版で触手が出てきた時に『Fate』を連想したのは事実だし、そういう文脈を子共に見せていいものか迷うという気持ちは凄い分かるんだよな。もうトシかな。

・BPOの回答

したがって、「ゴールデンに放送するのはどうなの?」という意見が出るのも分からないではない。その意見に対して、賛成ではないが、別に変な意見でもないと思うのだ。では、これに対して、BPOはどんな見解を示すのか? 記載されている意見は以下の通り。

「映画も大ヒットして、受け入れられているのでは」「注意しながら見てくださいということも、世の中的には了解されている」等の意見が出されました。(放送倫理・番組向上機構サイトより引用)

──というわけで、現状、BPOの鬼滅ゴールデン祭についての見解は「あり」寄りのようだ。

・時間帯の違い

1期では準キー局の読売テレビが一番大きい放送局だった鬼滅の刃。放送日時は月曜の25時59分からというまさに鬼みたいな時間だったので、それがフジのゴールデンで放送されたら反応が違うのも当然かもしれない。

ちなみに、2期「遊郭編」はフジテレビで12月5日の日曜23時15分から。10月10日にはテレビアニメ版「無限列車編」も走り出し、加速を続けている『鬼滅の刃』。この絶好の時間帯は、フジテレビにとって吉と出るのか凶と出るのか。

参考リンク:BPO「第238回青少年議事概要
執筆:中澤星児
画像:(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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