先日、大丸東京デパートで「ご当地パン」の催事が期間限定で行われていた。ズラリと並ぶ地元の人たちに愛されるパンは、関東出身の私にはどれも物珍しいものばかり。
見たことも聞いたことも食べたこともないのに、なんだろうこの懐かしい感じ……。エモさ満点のパンに、つい手が伸びた――。
・山形県の “ソウルフード” 「ベタチョコ」
「東京オリンピック(昭和39年)から愛されるおいしさ」と記されたパッケージから漂う懐かしさ。ハンパない!!
部活帰りにこういうパンよく食べたな~。
お皿からはみ出る大きさも、なんかエモい!!
……って、いやいや。エモさを感じている場合じゃないよ。開いたコッペパンにチョコレートがたっぷり塗られてかなりボリューミー。これ食べきれるかな。
開いているのを閉じて食べるのがツウな食べ方らしいが、閉じようとした瞬間にすぐ割れたわ。うぅぅ………。
ツウな食べ方に失敗したし、半分に割って少しずつ食べることにしよう。
おっと……チョコだけじゃなくてバタークリームも塗られているではないか! チョコとバタークリームの優しい甘さが口いっぱいに広がって幸せ~。
牛乳と一緒に食べれば、さらに学生時代の懐かしさを味わえそうだ。
・昔から変わらない島根県出雲市の「バラパン」
バラパンは昭和24年頃に開発されてから現在に至るまで、味・形・パッケージデザインすべてにおいて当時のままで製造されているそうだ。ノスタルジックな雰囲気を放つビジュアルには惚れ惚れしちゃう!
バラパンはその名の通り、バラの花をイメージして作られたパン。花びらをイメージしたパンにはクリームが巻かれている。
島根県出身の母にバラパンの食べ方を聞くと、「ぐるっと巻いてあるのをクルクルとほどきながら食べる」のが地元民の食べ方らしい。
クリームのまろやかな甘みとパン生地のバランスが絶妙!
シンプルな味ながら、優しさを感じる。それは、機械ではなく1個1個手作りで製造しているからなのだろう。
・神戸で親しまれてきた「白あん入りメロンパン」
かわいらしい見た目と、「白あんが入ったメロンパンが美味しくないわけがない」という根拠のない自信から手が伸びた。
形はメロンというよりもレモンっぽい気がする……。
少々分かりづらいが、白い生地に白あんがぎゅっと詰まっている。
生地はほんのりメロン風味。サイズ感も白あんの甘さもちょうどよく、重たさを感じずにペロリと完食。パンの真ん中だけじゃなくて端っこの方までしっかり白あんが詰まっていて、これはパンというよりもはやスイーツだな。
こんなハイカラなパンが地元に売っているなんて、兵庫県民が羨ましい……。
・地元の人に愛され続けるご当地パン
甘いパンだけではなく、熊本県の「ネギパン」や滋賀県の「サラダパン」などのお総菜パンも気になったが、この日は売り切れていて購入できず……。
長年地元で愛されているものはきっとどこへ行っても愛されるから、是非とも全国展開して欲しい!!
でも、地方を飛び出して “みんなのもの” になるのは、地元の人にとってはちょっと寂しい気持ちになったりするのかもしれない。
参考リンク:【ベタチョコ】たいようパン株式会社、【バラパン】有限会社なんぽうパン、【白あん入りメロンパン】ニシカワ食品株式会社
執筆:五月薫
Photo:RocketNews24