いろんな菓子があるものだ。京都の老舗・亀屋清永が販売する菓子に『清浄歓喜団』というものがある。はて。なんと読むんだい、と思うかもしれない。そのまま “セイジョウカンキダン” と読んでもらってOKだ。
お〇んくんのようなビジュアルのそれは、奈良時代に中国から伝わった唐菓子を今に伝える存在だという。なんとも壮大な話であるが、口に入れるとさらに驚きだ。これは……なんだか仏壇の味がするな?
・現在は亀屋清永のみが販売
亀屋清永のサイトをのぞくと、この『清浄歓喜団』について詳しく解説してくれている。それによれば、奈良時代に伝わった唐菓子の一種で団喜、略して「お団」と呼ばれるものとのこと。
千年の昔の姿そのままに、今なお保存されているものの一つであり、清浄歓喜団なしに和菓子の歴史を語れないらしい。ちなみに今現在製造しているのは、亀屋清永のみという。
そう言われてみると、確かに海を越えてもたらされたような、見目形をしている気がしてくる。うん、このテッペンのクルキュッとした感じが唐っぽいわ~~。
・餡子に驚き
さて。実際に食べてみるとしようか。ちなみに記者は税込648円(1個入)で購入。お値段もなかなか高貴な感じがするな。
手に持つと、割とズシっとしている。これは中身がいっぱい詰まっているに違いない。取り急ぎ口に入れると、硬い。気軽に咀嚼(そしゃく)しようとすると、前歯あたりがビックリするのでご注意を。
あと、結構ごま油の香りが強い。これが千年前から伝わる味、なのかしらん。軽い衝撃を受けたが、本番はここから。中央の餡子を食べると、驚き桃の木山椒の木なのだ。だってこの餡子……仏壇の味するぞ?
いや、もちろん仏壇そのものを食べた経験があるわけではないのでアレだ。そんなイメージが、頭にわいてくるような味ということだ。要するに、めちゃめちゃお香の味がするんだよ!!
ニッキやシナモンっぽい味もするのだが、それらを押しのける勢いでお香の味がするのだ。クセ強っっ! 強すぎて逆に「もっともっと」と、中毒になってしまう勢いだ。なんじゃこりゃ、面白い~~。
菓子の箱に同封されていた説明書きによれば、餡に7種類の香を入れて包んでいるらしく、なるほど納得。どうやら、香には清めの意味も込めているようだぞ。
ひと粒で、なにやらいろいろ背負っているんだなあと感心を禁じ得ない。もし見かけることがあれば手に取り『清浄歓喜団』の来し方に思いをはせるのも、楽しい時間の使い方……なのかもしれない。
参考リンク:亀屋清永 清浄歓喜団
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼今に伝わる唐菓子『清浄歓喜団』
▼味のクセが強い。一周まわって、そこが良い
▼大きさはこれくらい
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]